1986 Fiscal Year Annual Research Report
提案した地すべり予知法の精度修正とそれに基づく最適対策工の決定に関する研究
Project/Area Number |
61550362
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 国夫 金沢工大, 工学部, 教授 (20023327)
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Keywords | 地すべり / 予知 / 精度 / 現場観測 |
Research Abstract |
地すべり予知法の精度修正に関しては、地すべりの進歩状況に応じて、以下の知見が得られた。ふなわち、1.予知法のアルゴリズムの中で、入力データ(観測結果)に重みづけを付与することにより、崩壊予知精度が大きく向上した。観測当初、換言すれば、地すべりの初期段階では地すべりの動きの中に地形特性,地下水状態および植生状況が反映され、乱れた情報(ノイズ)が含まれる。一方、地すべりがかなり進んだ時点での観測結果には地すべりの動きだけが反映させることになる。したがって、入手データのもつ地すべり情報の精度は当然経時的に変化していることになる。この観点より、新しい情報ほど崩壊予知に貴重な価値を保有する。したがって、アルゴリズムの中に上記の観点を考慮した結果、予知精度は定量的に以下に示すところまで向上した。それは、最終データ入手時と崩壊時間(すべて、崩壊現場実績に基づく解析結果であるため、この崩壊時間は実際値)との差,いわゆる余裕時間の20%以内で崩壊時間を平均的に予知できることとなった。2.もう少し詳細に見れば、地すべりが定常クリープ速度状態にある際は、崩壊予知時間は余裕時間の約14%程度、崩壊直前の第3次クループ状態では約6%以内で予知が可能となった。3.実際の地すべりが安定化の方に移行する、いわば、収束型地すべりの予知に関しては、最終地すべり変位あるいはひずみの予知が、平均的に±12%の精度で可能になることがわかった。ただ、この収束型地すべりと判定されたときのアルゴリズム中の上記のデータに対する重みは、崩壊型地すべり以上に付与すべきことが明らかとなった。結局、4.崩壊型地すべりに対する重み付与は【w^2】,一方、収束型地すべりに対しては【w^3】,が妥当性をもち、工学上きわめて有効となった。ここに、w;データ入手順につけられる番号であり、最初のデータ【W_1】=1,最後n番目のデータ【W_n】=nとなる。
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[Publications] 川村國夫: 土質工学会誌「土と基礎¨. 34-7. 49-54 (1986)
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[Publications] Kunio,Kawamura: Proc.of 8th Asia Conf.on Soil Mechanics and Feoundation Engineering. (1987)
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[Publications] 高瀬信忠: 第23回自然災害科学総合シンポジウム論文集. NO.23. 11-21 (1986)
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[Publications] 川村國夫: 地盤工学におけるリスク評価手法に関するシンポジウム論文集(工質工学会). (1987)
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[Publications] Kunio Kawamura: Soils and Foundations.
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[Publications] Kunio Kawamura: Proc.of 11th Intev.Conf.on Soil Mechanics and Foundation Engineering. Vol.2. 1155-1158 (1985)