1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550365
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
澤本 正樹 東北大, 工学部, 助教授 (90016519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 勝 東北大学, 工学部, 助手 (00005505)
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Keywords | 非平衡性漂砂量 / 局所洗掘 / 砂漣 / 不安定理論 |
Research Abstract |
本年度は実施計画に従い、次の3点について検討を行った。 (1)シートフロー状砂移動データの総合的再整理と漂砂量表現パラメータの確認:研究代表者らのシートフロー状砂移動に関する諸データにあわせ、既往のデータを収集し、いままで発表されている漂砂量式の適合性をチェックした。用いた漂砂量データは、5実験者のもの、検討した漂砂量式は5研究者のものである。その結果、シートフロー状の砂移動に限って議論すれば、研究代表者が提案していたものが最も広い範囲での適合度がよい;漂砂量記述パラメータには、砂粒子沈降速度を適切に含める必要がある;などの点が明かとなった。結果は、裏面研究発表一覧の第2,第4に発表した。 (2)漂砂の非平衡性の底面地形変化に果たす役割の検討:構造物周辺の局所洗掘の機構を説明するには漂砂量の非平衡性が必要となる。漂砂の非平衡性が局所地形変化に果たす役割を明確にするため、平坦床から発達する砂漣地形を例に取り上げ、不安定理論による解析を行った。それによると、漂砂の非平衡性は砂漣のような局所地形の発達には不可欠である;卓越波長の説明には漂砂の非平衡性のみでは不十分であり、砂粒子の移動距離のバラ付きなどの確率的要素まで考慮する必要がある;などの点が明かとなった。結果の一部は、裏面研究発表一覧の第1に発表した。 (3)波動場における円柱周辺の局所洗掘の実験:水槽内に円柱を設置し、シートフロー状砂移動下での局所洗掘の測定を行った。洗掘は2つの形態に分類される。1つは水粒子移動距離dが円柱径より大きい場合で、すりばち型の洗掘となる。他はdが小さい場合で、岸側にハの字型の洗掘が生じる。いずれの場合も漂砂の非平衡性が重要であるが、同時にその原因となる流速場の正確な把握が必要となったのでその観察を続行中である。途中経過を研究発表一覧の第3に発表した。
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[Publications] Sawamoto,M;Yamashita,T;Akiyama,Y: Coastal Engineering in Japan. 29. 81-90 (1986)
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[Publications] Sawamoto,M;Yamashita,Y: Coastal Sediment 87'. (1987)
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[Publications] 飯島元,西沢勝,沢本正樹: 土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. (1987)
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[Publications] 唐木毅,沢本正樹: 土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. (1987)