1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550379
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肥田野 登 東京工大, 工学部, 助教授 (90111658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 大 東京工業大学, 工学部, 助手 (30180251)
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Keywords | 都心部 / 資産価値 / 鉄道整備 / 相互直通運転 / 主体別効果 |
Research Abstract |
本研究は都市鉄道建設に伴い影響を受ける関連主体の受益を負担に焦点をあて、資産価値による主体別効果の計測方法の提案を行なうことを目的としている。本年は筆者らの研究成果をふまえ、新たに鉄道相互直通運転が特に都心部の企業へ与える便益をとりあげ従来の方法の有効性と限界を検討する。更に各主体別の効果の帰属を明らかにするために資産価値だけでは効果をはかれない地方自治体について土地利用及び地価変化による歳出入の変化を記述しうるモデルを作成することとする。本年度はこのうち次の二点の分析を行なった。1.都心部における企業への効果の計測:相直運転が都心部の企業にどのような影響を与えたかは必ずしも明らかになっていない。そこでまず、企業の新規立地販売額、従業者数、乗降客数、夜間人口、地価に注目し事後的に影響を分析した。対象地域は東京の地下鉄半蔵門、千代田及び新宿の各線であり、分析期間は昭和52年から57年とした。ここでは影響をもれなくかつ客観的に計測するために地域比較法とモデル法の二つの方法を併用した。特にモデル分析では立地量を推定するための商業集積地単位のきめ細かい集計型ロジットモデルを構築した。その結果、都心部での効果の発現は相直の頻度、後背圏の大きさ、及び道路整備状況に大きく依存していることが明らかになった。更に企業立地数を説明変数の一つとした商業業務地価関数を作成し、その妥当性を検証した。2.主体別の受益と負担の計測;都心部における関連主体としてここでは企業土地所有者、区,都,鉄道事業者を取りあげ区、都については立地、地価と連動した歳出入モデルを作成した。この方法を半蔵門線の相直事業の港区内での関連主体へ与える影響について事後的に分析を行ない、その適用可能性を明らかにした。その結果郊外部と同様、都心部においても鉄道整備の効果の多くが土地所有者に帰属していることが判明した。
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Research Products
(1 results)