1986 Fiscal Year Annual Research Report
住宅地区環境総合評価における交通面・防災面からみた意識指標の有効性に関する研究
Project/Area Number |
61550388
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
高井 広行 近大, 工学部, 助教授 (30125124)
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Keywords | 住宅地区 / 交通環境 / 防災環境 / 総合評価 / 意識指標 / 経年変化 / 多変量解析 / 地区特性 / 環境改善 |
Research Abstract |
本年度行った研究のまとめについてここに示す。 交通環境,防災環境に関する各種意識指標および地区の交通指標を意識調査,交通量調査等から得て、その実態,経年変化,指標相互間の関係変化,住宅地区の環境の良し悪しの予測式の変化について考察を行った。内容は (1)交通環境が全般的に変化が大きく、防災環境は良好になってきた。 (2)住宅地区環境総合評価は全地区において「悪い とする評価が小さく、環境はやや改善されてきているといえる。 (3)意識指標に関して5〜6年前の指標値と今回の指標値の有意性検定を行った結果、「自動車による危険・不安意識 ,「迷惑生活妨害意識 ,「火災の危険・不安意識 等が有意の差が認められた。 (4)意識指標間の関係について相関分析を用いて、5〜6年前の指標相互間,今回の指標相互間を検討した結果、意識指標間には経年変化に関係なく、一定の強い関係がみられた。 (5)数量化第【II】類の分析を用いて、住宅地区環境の良し,悪しについて検討した結果、住宅地区環境には前回,今回とも交通環境,防災環境の影響は大きくみられ、地区によっては交通,防災環境の寄与度には多少差がみられた。 以上のような分析,考察を行ったが、地区の改善計画のための評価指標としてあまり矛盾した特性もなく、物理的指標で表しにくい側面を表すことのできる比較的安定した指標であることがわかった。これらの結果を踏まえ、来年度の課題である、各種物理指標(交通特性指標,地区特性指標,住宅特性指標等)との関係について考察を行い、進展させて行く予定である。
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