1986 Fiscal Year Annual Research Report
多次元地動に対する鉄筋コンクリート骨組の立体弾塑性挙動とじん性耐震設計
Project/Area Number |
61550402
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 明徳 東北大, 工学部, 助教授 (30005251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 純一 東北大学, 工学部, 助手 (90005489)
渋谷 純一 東北大学, 工学部, 助手 (70005461)
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Keywords | 鉄筋コンクリート骨組 / 立体地震応答 / 弾塑性応答 / セットバック建物 / 2軸曲げ / 2方向地動 |
Research Abstract |
鉄筋コンクリート骨組の地震による立体弾塑性挙動の性質を明らかにし、動的耐震設計の基礎資料を得るため、次の項目について研究を行った。 1.軸力と曲げをうける鉄筋コンクリート柱の弾塑性挙動 2軸曲げ及び軸力をうける鉄筋コンクリート柱のくり返し復元力特性を、弾塑性線素モデルの考えに基いて解析し、コンクリート要素の軟化特性がモーメント-曲率関係に及ぼす影響、及び負勾配をもつモーメント-曲率関係に基いて部材の変形特性の解析を行う場合の精度と収歛性について検討した。 2.不整形な鉄筋コンクリート建物の立体地震応答 セットバックを有する高層鉄筋コンクリート集合住宅が近年増加しつつあるが、このような不整形建物の大地震時における挙動はまだ十分明らかになっていない。このためセットバックをもつ11階建高層壁式ラーメン試設計建物を例として、部材ごとの弾塑性性状を考慮した近似的立体地震応答解析(2方向応力の影響無視)を行い、応力・変形及び損傷の建物内での分布状況について検討を加え、この種の不整形建物の耐震設計に関する基礎的資料を得た。 3.2軸曲げを考慮した立体ラーメン骨組の弾塑性地震応答 柱の2方向曲げの相互作用を表現し得る多方向弾塑性バネを材端に有する弾塑性部材モデルを用いた立体骨組応答解析の手法を開発し、2方向地動を同時にうけるラーメン骨組の弾塑性挙動に及ぼす柱の2軸曲げ効果の影響を検討した。本年度は、1層、および多層立体ラーメン骨組の地震応答解析を行い、柱の変形量及び損傷が2軸曲げ効果により大きく増大する可能性のあることを示した。 以上の解析を通じて得られた知見を、鉄筋コンクリート建物のじん性耐震設計に反映させ、耐震性の確保に資する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 柴田明徳: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 725-726 (1986)
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[Publications] 渋谷純一: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 377-378 (1986)
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[Publications] 柴田明徳: 日本建築学会東北支部研究報告集. 48号. 167-170 (1986)
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[Publications] 柴田明徳: 日本建築学会東北支部研究報告集. 49号. 273-276 (1987)