1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550412
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 興史郎 京工繊大, 工芸学部, 講師 (90027813)
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Keywords | アーチ作用 / 杭 / 鋼 / 砂質土 / 地盤 / ダイレイタンシー / 摩擦 / 有限要素法 |
Research Abstract |
1.開端鋼管杭の支持力問題は軸圧を受ける薄肉円筒の不静定問題であり、荷重が小さい場合は単位面積当り支持力がdに比例し、大きい荷重では肉厚比t/dにも比例する傾向が出て来ることを示した。 2.大型連立一次方程式の解法として、ベクトルプロセサーによるバンド行列LU分解サブルーチンを名古屋大学大型計算機センターの原作成者と協議の上、虫を取り除き完成させた(NUMPACのLEQBDV)。 3.深さ25mに剛な基盤を有する豊浦標準砂の一様地盤内で、径1200mm、長さ20m、肉厚11mmの開端鋼管杭が単調載荷された場合の数値解析を行なった。 (1)杭頭部摩擦の極限状態より推定される最大主応力の連鎖(アーチ)によって、杭体の沈下による周辺地盤の沈下の範囲を推定することも可能である。(今回の解析の場合、半径15mにローラーを仮定したことは妥当であった。)。 (2)管理土は杭体と共下りし、管内土周面摩擦は先端部を除くと無視し得る程小さいという従来の筆者の見解が確認された。 (3)クローン摩擦を仮定した今回の解析においては、杭体と外周地盤の間の摩擦は、アーチ作用によって、特に先端部で大きい結果となった。これは、杭体の沈下に比例する摩擦を仮定した以前の筆者の解析で、杭頭部に近い程大きい摩擦抵抗が得られたのとは大きく異なっている。 (4)杭体の外周面摩擦によって、周辺地盤、先端地盤の全体的な沈下が生じるため、杭先端肉厚部の抵抗は、無視し得る程小さい結果となった。 (5)予想された如く、杭周辺地表面地盤で剪断破壊を生じ、十分大きな荷重に至るまでの解析は不可能であった。今後の課題として取り組む。 4.端面摩擦を除去した三軸試験の簡便法として、テフロン紙と薄いゴム膜(メンブレン)の間にグリスを塗布する方法を開発した。試験結果は解析中であるが、ほぼ妥当な手法であるといえる。
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[Publications] 永井興史郎: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 1281-1282 (1986)
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[Publications] 永井興史郎: 第22回土質工学研究発表会. (1987)
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[Publications] 永井興史郎: 日本建築学会近畿支部研究報告集 第27号構造系. 27. (1987)