1986 Fiscal Year Annual Research Report
多機能複合型施設としての都市公共施設の再編整備計画に関する研究
Project/Area Number |
61550438
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川崎 清 京大, 工学部, 教授 (40025888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正美 京都大学, 工学部, 助手 (50109021)
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Keywords | 都市公共施設 / 複合化 / 街路施設 / 分布間隔 / 景観整備 |
Research Abstract |
本研究は従来、単独機能、単体施設として整備されてきた都市内公共施設について、その機能の相互関連、物理的空間の共用可能性に着目し、それら施設を多機能複合型公共施設として再編整備することにより、都市の貴重な公共空間をよりきめ細かな市民サービスに役立たせると共に、都市景観の整備をも同時に計ることを目的にしたものであり、現状の各種公共施設の分布実態の分析をふまえ、それら施設を多機能複合型施設へと再編整備するための理論的根拠の尊出と結合可能な施設の組み合わせの抽出、及び一体化させる場合の建築的解決法の例示を研究課題としたものである。本年度は、都市の公共施設のうち特に個体数が多くてその配置の理論も不明確である交番、公衆便所及び電柱、標識、公衆電話といった小さな施設をとりあげてその分布実態を調べた。以下に研究成果を列記する。1)京都市内にある交番、特定郵便局、公衆便所の総数並びに分布を調べた。2)京都市内の性格の異なる6街路(長さ約800m)をとりあげ、街路沿にある13種の街路施設(標識,電柱,信号,街灯,ゴミ箱,灰皿,公衆電話,バス停,郵便ポスト,ベンチ,タクシー乗場、公衆便所、交番)について、その個数、分布間隔を調べた。その結果、3)上記13種の街路施設の分布状態からその街路の特徴、性格が把握できること。4)主に他街路との交差部においてそれら施設の過度な集中現象がみられること。5)上記施設の設置間隔のヒストグラムを作成し、平均、分散を調べた結果、各施設とも同じ街路内でかなりバラツキがある上、異なる街路間ではその平均値にもかなりの差があった。6)以上からここで扱った街路施設が街路の景観整備状況を示す指標とみなせること、及びその設置形態に一貫性がみられないことから、景観上の視点からそれら施設の統合一体化を検討できる可能性を示した。62年度は上記街路施設が集中する交差点での統合化の方法を具体的に検討する予定である。
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