1986 Fiscal Year Annual Research Report
建築の機能変容と修復・再生手法による寿命の適正化に関する研究
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61550439
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏原 士郎 阪大, 工学部, 助教授 (70029164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 隆司 大阪大学, 工学部, 助手 (20182694)
吉村 英祐 大阪大学, 工学部, 助手 (50167011)
岡田 光正 大阪大学, 工学部, 教授 (40028931)
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Keywords | 建物の経過年数 / 建物の廃棄年数 |
Research Abstract |
本年度は公共建築を対象にして、建物の経過年数、寿命分布、寿命を決定する要因等に関して調査研究を行った。内容の概要は以下のとおりである。 1.建物の経過年数:地域特性の異なる4都市が所管している主要施設一覧表、局別主要施設分類表、公有財産一覧表などにもとづいて、施設種別、構造別に経過年数の分布図等を作成した。これにより、いずれの都市も新築から20年の間にピークがあり、30年以上を経過したものは、あまり存在しないこと、構造についてはほとんどが鉄筋コゴクリート造であることが明らかになった。経過年数の分布と修繕費の年次変化をもとに試算した結果、5〜10年後に修繕費のピークが表われることが分かった。 2.建物の寿命分布:寿命分布を知るための基礎的資料を得るために、K市が所管している建物増減異動明細表と土地建物台張をもとに廃棄建物の竣工年次、廃棄年次、構造、延面積、建物種別等を調査した。このデータをもとに施設別、構造別、屋根・外装材別、延面積別に廃棄年数を算出し、全体として住宅、教育施設、W造、RC造、500【m^2】以上の規模の大きな建物では廃棄年数が長くなる傾向にあることが分かった。また、廃棄年数の分布図を正規確率紙を用いて分析した結果、その分布は平均20年前後と50年前後の平均値をもつ二つの正規分布が合成されたものであることが分かった。 3.廃棄年数に影響をおよぼす要因:上記2.で示したデータを用い 数量化理論【I】類により分析を行った。廃棄年数を目的変数、用途、構造、屋根材料、延床面積等を説明変数とした。全般的な傾向として、偏相関係数は低いが、重相関係数は比較的高く、廃棄年数に影響をおよぼすものは構造の差異、建物の規模で、用途や屋根材の差異はあまり影響がないことが明らかになった。カテゴリウエイトから、延面積が1000【m^2】以上になると急激に廃棄年数が長くなる傾向も明らかになった。
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Research Products
(1 results)