1988 Fiscal Year Annual Research Report
建築の機能変容と修復・再生手法による寿命の適正化に関する研究
Project/Area Number |
61550439
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
柏原 士郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (70029164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 陽子 共栄学園短期大学, 講師 (90171389)
横田 隆司 大阪大学, 工学部, 助手 (20182694)
吉村 英祐 大阪大学, 工学部, 助手 (50167011)
岡田 光正 大阪大学, 工学部, 教授 (40028931)
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Keywords | 建築の機能変容 / 修復・再生手法 / 建物の寿命分布 |
Research Abstract |
1.用途変更に関する事例の収集整理:関東、東海、関西地方の143市区の営繕課長を対象に行ったアンケート調査を中心にして118件の有効な事例を収集整理した。2.改修年度、経過年数等に関する分析:新築から改修までの経過年数は、16〜20年のところにピークがありこの程度の時間的経過で用途変更が発生する可能性が高まることが明らかになった。3.構造、規模等に関する分析:用途変更事例の構造は、RC造のラーメン構造が一番多く、次いで木造である。RC造の壁構造は、3例と少なかった。ラーメン構造のフレキシビリティの高さが実証された。階数は3階建までの建物が多く、5、6階建の建物はいずれも全面的な大改修であった。延べ床面積1000m^2以下のものが約半数で500m^2以下が約30%であった。4.施設種別の用途変更の分析:行政事務施設では、人口急増にともなう近郊都市の庁舎と地区再編成等による支所出張所の用途変更が特徴的である。幼稚園や教室の用途変更は幼児・児童数の減少による。小中学校の用途変更には過疎地で宿泊施設によるものと都市化によるものとがある。結婚式場が利用率の減少で会議室に用途変更されるケースが多い。一般的に、用途変更後、集会所と福祉施設になるものが多い。5.分析対象事例の用途変更の要因:空建物を利用する用途変更が多いが、空建物は他に適切施設を新築し移転した場合と、旧用途を廃止した場合がある。既存建物を用途変更して利用する理由は、建物がまだ使用できる状態であること以外に、暫定的利用あるいは建て替えできないというやむをえない理由も40%近くある。新用途の決め方は、地元の要望施設になることが多いが、他に使い道がないという消極的な決まり方もみられる。施設の立地特性を考えた用途の決め方が中心で建物の外観を考慮して新用途を決定するケースはみられなかった。
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