1988 Fiscal Year Annual Research Report
都市景観形成のための建築物の規制・誘導手法に関する研究
Project/Area Number |
61550440
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
嶋田 勝次 神戸大学, 工学部, 教授 (00031055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 康一 神戸大学, 工学部, 助手 (10116262)
安田 丑作 神戸大学, 工学部, 講師 (40031124)
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Keywords | 都市景観形成 / 都市デザイン / 建築デザイン誘導 |
Research Abstract |
1.都市景観行政と建築物に対する規制・誘導制度に関する調査 各地の自治体で実施されている都市景観行政の運用実態と建築物に対する規制・誘導施策に関する資料を収集し、その内容について整理・分析した。その具体的な内容は、(1)都市景観行政の実施内容と、(2)建築物の規制・誘導方策の内容と実施の実態、(3)建築物の規制・誘導方策の評価と実施上の問題点である。ここで、規制・誘導手法の類型化にあたっては、(1)適用する市街地タイプ(既成市街地-新開発市街地)、(2)制度の適用区域(無限定-特定区域)、(3)制度が適用される対象建築物(無限定-特定建築物)、(4)計画主導性(計画規制-一般規制)、(5)規制の拘束性、の5つの指標を設定した。 2.景観特性と規制・誘導手法との関連分析と整備手法の検討 これまでの3年度にわたる調査解析結果について総括的な検討を行なった。すなわち、上記の規制・誘導方策の類型的枠組みにおいて、各調査対象事例(神戸市都市景観条例における事例調査、ポートアイランドにおける協定による事例調査、総合設計制度による事例調査)がもつ固有の課題の整理分類と各事例における地域特性との関連分析を行った。 その結果、それぞれの制度を比較すると、誘導基準や制度運用上の評価に差異がみられた。条例による制度では、誘導基準に対する評価が低く、協定の場合は、制度運用上の評価が高く、総合設計制度では、誘導基準に対する評価がもっとも高くなっている。 以上から、景観形成のための建築物の規制・誘導手法として、地域の景観特性や課題に応じた方策の体系化を進めるための重要な要因として規制・誘導基準の詳細性と制度運用の弾力性に関する段階的な考え方の導入と同制度を支援するデザインガイドラインの整備などの補助的な施策の重要性を示した。
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