1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550446
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
船越 徹 東京電機大, 工学部, 教授 (20057186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
積田 洋 東京電機大学, 工学部, 助手 (60120119)
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Keywords | 神社 / 寺院 / 参道空間 / 空間構成要素 / 空間構造 / シークエンス / 心理量 |
Research Abstract |
1.全国各地の神社・寺院について文献等資料により、明らかに参道空間を有するものをリストアップし、参道空間の特徴的なものについて、詳細な地図・資料を多数収集した。2.これらの資料を基に伽藍配置・参道の長さ・折れ曲がりの形態・レベル変化等について検討し、分類した。3.この分類を基に様々な参道空間のタイプのバリエーションが含まれるように神社参道65、寺院参道67を選び、現地調査対象空間とした。4.現地調査では、実際の空間体験を通して、空間を分節すると考えられる地点4〜29点においてカラーパノラマ写真撮影・階段の段数・植栽の様子・門・鳥居・その他の建築物の位置等詳細な記録を行った。一方参道空間の歴史的変遷を中心に各神社・寺院の関係者にヒアリング調査を行い、資料収集を合わせて行った。5.調査により得られたデータを基に参道空間を構成するレベル差・折れ曲がりなど15アイテム38カテゴリーの要因に整理し、数量化【III】類によりパターン分類を行い、参道空間の空間構造の傾向を明らかとした。6.さらに空間構成要素を検討し41の神社参道空間について41の要因を、27の寺院参道空間について48の要因を変数としたクラスター分析を行い、参道空間の構造による各神社・寺院参道のグルーピングを明らかとした。7.その結果、神社参道空間の構造のタイプは〈直接明快型〉〈鵜戸型〉〈屈折高揚型〉〈平地有水型〉〈地形演出型〉の5タイプに、寺院参道空間では、〈山麓直線型〉〈山麓回遊型〉〈山腹登攀型〉〈まわり込み型〉〈深山登攀型〉〈中腹平地型〉〈平地型〉の7タイプに類型化されることが判明し、それぞれ参道空間の特徴を踏まえて命名することができた。8.今後は、神社・寺院の参道空間のもつ心理的意味についての分析を進め、一方で空間構成要素を定量的に捉えることにより、両者の相関関係について、定性的・定量的に明らかにし、心理的・物理的両側面より参道空間を解明する予定である。
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