1986 Fiscal Year Annual Research Report
粗粒スラリー輸送における水撃現象の防止に関する研究
Project/Area Number |
61550457
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野田 佳六 東北大, 工学部, 教授 (60005288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 弘 東北大学, 工学部, 助手 (90188045)
益山 忠 東北大学, 工学部, 助教授 (30005459)
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Keywords | スラリー輸送 / 圧力変動 / 水撃現象 / 統計的処理 |
Research Abstract |
1.研究目的:スラリー輸送におけるスラリーの調整を行う前処理工程においては、一般に粒度分布および濃度の測定、調整を十分に行うが、ダム堆砂のよう粒度調整を行うことが不可能なものもある。その結果、輸送される粒子の管内分布は、浮遊するものあるいは管底を転動・摺動して流動する部分が生じ、すなわち管内の圧力が変動し、時には管内に異常な圧力が発生するなど、管路の設計上問題が生じている。しかしこれに関しての研究は未だ十分には行われていない。本研究においては、特に解明の遅れている粗粒子スラリーの圧力変動に及ぼす固体濃度および流速の影響について検討する。 2.研究計画:(1)圧力変動の動特性を検討するため圧力の測定には圧力変換器を用い、変換器からの信号はA/D変換した後、パーソナルコンピュータに取り込む。(2)流動状態の変化にともなう圧力変動特性について検討するため、流速および濃度を種々に変化させて測定を行う。(3)得られたデータに対して、統計的処理を行う。 3.研究成果:(1)最大圧力と最小圧力との差、すなわち最大圧力変動量は濃度の増加とともに増大することが明らかとなった。また低流速域では、流速が低いにもかかわらず変動量はかなり大きくなったが、これはduneの発生によることを明らかにした。(2)確率密度関数、歪度および偏平度から圧力変動の正規性について検討した結果、高流速域では圧力分布は、ほぼ正規分布で近似できるが、低流速域では圧力分布を正規分布では近似しえないことが分った。(3)自己相関関数およびパワースペクトル密度関数より圧力変動の周期性について検討した結果、低流速域では顕著な周期性が見られたが、これは、duneの移動に起因することを明らかにした。しかしながら高流速域では顕著な周期性は見られず、また濃度の影響もあまり見受けられなかった。
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