1986 Fiscal Year Annual Research Report
未利用珪砂資源の鉱物組成,とくに微量不純鉱物に関する研究
Project/Area Number |
61550458
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 舜一 東北大, 工学部, 教授 (80005214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 幸人 東北大学, 工学部, 助手 (40005369)
南部 正光 東北大学, 工学部, 助手 (10005340)
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Keywords | 工業原料鉱物 / 珪砂 / 重鉱物 / 非金属鉱物資源 / ガラス原料 / 鋳物砂 |
Research Abstract |
本研究は、未利用珪砂資源の開発利用の基礎研究として、珪砂の鉱物組成,とくに微量不純鉱物の種類と含有状態を明らかにし、選鉱・用途などに対する基礎データの提供を目的とするものである。本年度に研究を行った山形県最上地方の珪砂鉱床については、次のことが明らかになった。 1.最上地方の珪砂は、鮮新統わら口層属している。わら口層には、固結度の低い石英質砂岩からなり、薄い軽石凝灰岩,泥岩,亜炭をはさんでいる。これらの中、珪砂として稼行対象となるのは、最大厚さ70〜80mである。 2.珪砂は粒度分析の結果、+325メッシュの砂分が82〜90%で、その平均粒径は0.25〜0.42mmである。-325メッシュの粘土分の平均粒径は、0.6〜7.5μmである。 3.珪砂の主要構成鉱物は、石英、長石、粘土鉱物で、重鉱物、岩片などを伴い、クリストバライト、沸石をわずかに含んでいる。石英は、火山岩源と花崗岩源のものとがあり、これらの他ごく少量のチャート、珪岩、珪化岩片が含まれている。火山岩源の石英には、不純物としてガラス包有物が含まれており、さらに二次包有物として流体包有物が含まれている。 4.重鉱物としては、チタン鉄鉱、磁鉄鉱、鋭錐石、ジルコン、緑簾石、黒雲母、角閃石、輝石、紅柱石、電氣石その他が含まれている。これらの中、チタン鉄鉱が主成分で、次いで磁鉄鉱、ジルコンで、緑簾石、角閃石、輝石黒雲母の他はごく少量である。 5.珪砂の化学分析の結果、【Al_2】【O_3】は細粒のものほど増加しており、これは主に長石に由来するものである。【Al_2】【O_3】含有量を制限するためには、用途に応じてある粒度でアンダーカットする必要がある。重鉱物は、テーブル選鉱で大部分除去することが可能であるが、さらに磁選を行えば【Fe_2】【O_3】含有量をかなり低下することができる。
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Research Products
(1 results)