1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550460
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鴻巣 彬 東北大, 工学部, 助教授 (20089791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 昇 東北大学, 工学部, 助手 (20134009)
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Keywords | 鉄酸化細菌 / 硫酸第一鉄 / 酸化反応 / 強酸性 / 耐酸性 / 硫黄酸化細菌 / 形質転換 / 集積培養 |
Research Abstract |
無機栄養菌による硫酸第一鉄の酸化反応は、最近、その応用分野が拡大されてきている。このため、各分野における使用菌に対し、それぞれの条件に応じた耐性を付与することが必要となっている。本研究は、適用分野の拡大にさいしての問題点の一つである、PH値1以下での硫酸第一鉄の無機栄養菌による酸化に関するものである。 硫酸第一鉄を酸化するT.ferrooxidansの生育のPH範囲の下限は、1.4とされてきた。PH1以下での反応は進行せず、一般には、適用外とされている。しかし、同属のT.thiooxidansは、硫酸第一鉄を酸化できないが、単体硫黄酸化のさいの生育のPH値の下限が0.5とされている。 無機栄養菌の耐性がプラスミドによって伝達されるとの報告に基づいて推測すると、T.ferrooxidansにPH1以下への耐性を付与するのは、プラスミドをT.thiooxidansから移植することによって、実現される可能性がある。プラスミドを入れるには、遺伝子操作の手法と形質転換現象を利用する方法とが考えられる。本研究では、開放系における菌の使用等を考慮し、後者の方法によった。 使用菌は、T.f.とT.t.とが共存している旧松尾鉱山菌である。実験は、はじめに、単体硫黄をエネルギー源として集積培養を行なった菌と、硫黄第一鉄をエネルギー源として集積培養した菌とについて、PH1.5付近での鉄酸化の挙動を観察した。この結果から、硫酸第一鉄をエネルギー源とした集積培養菌を用いることとし、この菌を単体硫黄による培養に切り換え、PH1以下で硫黄を酸化できる状態になるまで長期の培養を繰り返した。現在、この繰り返し培養菌による硫酸第一鉄の酸化を試験中である。現段階では、進行中であるが、PH1以下で第一鉄の酸化を開始したことは認められる。
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Research Products
(1 results)