1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550462
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 茂 東北大, 選鉱製錬研究所, 助手 (40006036)
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Keywords | 廃液処理 / 2液分離 / 有機液体 / 混合溶媒 |
Research Abstract |
金属塩を含む水溶液に水と相互溶解する有機液体を添加すると、塩あるいは有機液体の水に対する溶解度が低下し、条件によって塩の晶出あるいは2液相分離が起る。この現象を廃液処理に利用し、有機液体を回収する方法の可能性を検討するために、本年度はまず利用が有望な有機液体を選定するための基礎調査を行なった。 本処理法では使用後の有機液体を低コストで回収し得るか否かが問題となる。このため、エネルギーをほとんど必要とせず、低温廃熱などが利用できる常温附近での2液相分離を利用することを考えると、なるべく広い組成範囲にわたり常温附近に下部臨界点を有するような混合溶媒系が望ましい。上述の観点から有機液体として中級アルコール類と第二,第三アミン類について、金属硫酸塩-水-有機液体系の溶液組成と下部臨界温度との関係を調べた結果、以下のことが判った。アルコール系では、2-PrOH,t-BuOH系が常温附近で広範囲の組成の2液域を有するが、t-BuOH系の方がより広範囲である。ちなみに、Zn【SO_4】-【H_2】O-t-BuOH系における2液相の最大組成差はアルコールに富む層ではZn【SO_4】;0.005%,【H_2】O;18.5%であり、水に富む層ではZn【SO_4】;35.3%,t-BuOH;0.5%程度である。一方アルキルアミン系についてはジイソプロピルアミンならびにトリエチルアミンについて調べたが、これらアミンと水の混合溶液系は何れも常温附近に2液分離の臨界温度をもち、塩濃度が大きくなるに從って臨海温度は低下する。 アルコールあるいはアミンの添加により、溶液中の塩濃度は痕跡程度まで低下され、アルコールの回収には塩析効果が大きく安価なNaClのような塩による2液分離の利用も可能であり、アミンは母液を数十度に温めることによって容易に水と分離され回収し得る。
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