1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550468
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江崎 哲郎 九大, 生産科学研究所, 助教授 (40038609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 伸裕 九州大学, 生産科学研究所, 助手 (70091402)
西田 正 九州大学, 生産科学研究所, 教授 (30038575)
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Keywords | 透水性 / 室内実験 / 不連続面 / せん断 / 節理 / 岩盤 / 地下利用 |
Research Abstract |
本研究は、深部岩盤を対象に、不連続面の変形挙動に起因した透水特性の変化を考慮した地盤応力-透水同時解析法の開発を目的としている。その第一ステップとして、単一不連続面の基礎的特性を検討するために、自作したせん断試験機及び透水試験機を用いて実験的研究を行った。透水性を規定する、応力に依存したすきま幅の挙動を求める方法としては、せん断試験が最も適当であり、垂直応力やせん断変位に伴う垂直変位の変化を正確にとらえることができる。これにより、垂直応力をパラメータとした。せん断応力-せん断変位曲線及び垂直変位-せん断変位曲線が得られた。また、これに基ずいてすきま幅を求めた。次に、かみ合った不連続面及びかみ合わない不連続面をもつ供試体を用いて、応力状態(周圧)、水圧及び動水勾配(流入側圧力、流出側圧力)をパラメータとして透水試験を行った。得られた知見を次に示す。 1.かみ合わない不連続面は、かみ合った不連続面に比較して、無応力時のすきま幅及び閉合時の垂直応力が大きく、比較的垂直応力の低い範囲における垂直剛性が小さい。 2.せん断試験機を用いて測定したすきま幅から求めた透水係数は、水理学的に求めた透水係数より小さい。 3.不連続面の透水試験では、動水勾配を大きくするとDarcyの法測が成り立たなくなる。従って、層流の範囲で試験を行うにはすきま幅によって動水勾配を制限しなければならない。 4.不連続面の透水性は、周圧の増加によって減少し、間隙圧の増加によって増加する。 5.不連続面の透水性は不連続面の凹凸、ずれ、部分的な接触、三次元的効果の影響が大きいので、それらの影響を考慮しなければならない。本年度は、更に詳細にせん断変圧-ダイレーション-透水特性を明らかにする。それを基に、周圧及び水圧、せん断変位、粗度等を考慮したモデルを作製し、地盤応力-透水同時解析法の開発を行う。
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Research Products
(1 results)