1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550489
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板垣 己未生 東北大, 選鉱製錬研究所, 助教授 (80006048)
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Keywords | 金属間化合物 / 【III】-【V】化合物 / カルコゲナイド / 落下型熱量計 / 溶解熱量計 / 比熱 / 含熱量 / 標準生成自由エネルギー |
Research Abstract |
機能性材料や新素材を開発する立場から、金属間化合物やセラミックなどの複合無機化合物の熱力学的性質が着目されている。そこで各種の熱量計を用いて生成熱、比熱を測定し、Third Law Methodにより標準生成自由エネルギー値を導出することを試みた。結果は以下のように要約される。 (1)落下型熱量計によるFe-S系およびSb-S系の研究 融体の含熱量を1250°Cの高温度域まで測定し、標準生成自由エネルギーの温度式としてそれぞれ次式を得た。 Fe(S)+1/2【S_2】(g)=FeS(l) △G°=-119.22+3.33×【10^(-2)】T(kJ【mol^(-1)】) 2Sb(l)+3/2【S_2】(g)=【Sb_2】【S_3】(l) △G°=-352.10+18.87×【10^(-2)】T(kJ【mol^(-1)】) Fe-S2元系融体およびSb-S2元系融体のイオウポテンシャルは化合物FeSおよび【Sb_2】【S_3】が存在する組成に近づくと急激な変化を示すことが明らかとなった。 (2)落下型熱量計による【III】-【V】系化合物の高温比熱測定 InAsおよびGaAsの比熱を600〜1250°Cの温度域で測定し、次式を得た。 InAs(S): Cp=5.90+1.01×【10^(-3)】T(cal【K^(-1)】【mol^(-1)】) GaAs(S): Cp=5.66+0.83×【10^(-3)】T(cal【K^(-1)】【mol^(-1)】) これらの比熱値を用いてエントロピー値および自由エネルギー関数が導出された。 (3)溶解熱量計の開発 各種化合物の生成熱測定を目的として精密溶解熱量計を製作し、その妥当性を検討した。【III】-【V】系化合物やカルコゲン化合物の精密測定のためには試料を迅速に溶解することのできる溶媒が不可決であり、ヨウ素系の溶媒が有望であることが判った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Minoru KANDA: Thermochimica Acta. 109. 275-284 (1986)
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[Publications] Yong Hack LEE: Trans.JIM(Japan Institute of Metals). 27. 987-995 (1986)
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[Publications] Kimio ITAGAKI: Metallurgical Review of MMIJ(Mining and Metailurgical institute of Japan). 3. 29-48 (1986)
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[Publications] 李竜鶴: 日本金属学会誌. 50. 83-89 (1986)