1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 吉哉 東大, 工学部, 助手 (00092247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 信雄 東京大学, 工学部, 教授 (50010749)
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Keywords | シリコン純化 / 太陽電池基板 |
Research Abstract |
61年度は小型の真空溶解炉(高周波誘導加熱方式)を使用し、純度約98%の金属シリコン(以下MG-Si)を対象試料に選び、MG-Si中の不純物、とくに、Siの融点付近の温度で比較的蒸気圧の高いPとCaの真空処理による低減挙動を調べた。具体的には、粒状のMG-Si(粒度1.2〜2.3mm)約20gを黒鉛るつぼ(内径25mm,深さ55mm)に入れ、これを真空溶解炉にセットし、炉内を【10^(-4)】〜【10^(-5)】Torrまで排気した後、加熱溶解する方式をとった。実験温度は1450℃と1550℃の2水準とし、溶解時間をパラメーターにして一連の真空溶解実験を行った。なお、本実験に使用したMG-Siの主な不純物の初期濃度はP:32ppmw,Ca:500ppmw,Al:3400ppmwであったが、これら不純物の低減挙動について以下のような知見が得られた。 (1)Pについては1450℃と1550℃の両実験温度で同じような減少傾向が見られ、45分の溶解時間で6〜7ppmwまで減少し、それ以上保持時間を延長しても、一層の低下は認められなかった。 (2)Caについては実験温度によって若干減少傾向が異なり、1時間の溶解保持時間で、1450℃の場合約150ppmw、1550℃の場合約120ppmwまで減少し、その後も低下する傾向が見られた。 (3)AlについてもCaと類似の減少傾向が見られた。1時間の溶解で、1450℃の場合約2300ppmwまで、そして1550℃の場合約1300ppmwまで低下した。 (4)また、PとCaの低減について速度論的解析を試みたが、いずれの場合も減少速度はメタル中不純物濃度の一次式として表わすことができ、このことから、真空処理によるこれら不純物元素の減少はメタル・バルクから蒸発界面への拡散によって律速されてるものと推察された。
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