1986 Fiscal Year Annual Research Report
Hot-Filament法による塩化物浴からのAlの電解機構の解明
Project/Area Number |
61550500
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
野口 文男 九工大, 工学部, 助手 (80039114)
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Keywords | 塩化アルミニウム / アルミニウム電解機構 / Hot-Filament法 |
Research Abstract |
昭和61年度はHot-Filament(Pt-Rh10%-Pt-Rh30%の熱電対を用いる)装置にポテンシオスタット-ガルバノスタットを組合せ各種組成に調整した混合塩化物浴の電解を行い、電解過程で起こる特異現象やAlの析出状態の観察を行った。更に、浴組成や電解条件によってこれら特異現象がどのように変化するか検討してみた。電解浴としては、Al【Cl_3】をNacl-KCl-LiCl混合溶融塩に溶解して行うが、NaCl-Al【Cl_3】系,LiCl-Al【Cl_3】系,KCl-Al【Cl_3】系で行う200〜400℃でAlを固体として析出させる低温法と、NaCl-LiCl-Al【Cl_3】浴で700〜800℃で液体として析出させる高温法について調べた。得られた結果を要約すると次のようになる。 (1)塩化アルミニウムの低温電解法におけるAlの析出状態は、NaCl-Al【Cl_3】浴では樹枝状の結晶が析出するが、LiCl-Al【Cl_3】浴では綿状(又は針状)に析出することがわかった。またKCl-Al【Cl_3】浴でもLiCl-Al【Cl_3】浴と同様綿状の金属Alの析出が起こった。 (2)高温電解法では最初粒状に析出することがわかった。しかしながら電解時間と共に析出Alは層状に発達し、電極表面を覆うようになった。 (3)析出したAlは電解時間と共に層状を呈するが、低温法でも、混合浴をパイレックス管中に真空封入して行ったため、電解により陽極から発生する【Cl_2】ガスの影響を受けて析出Alの再溶解が生じることがわかった。この状態は丁度金属霧が起こったような状態を呈した。 (4)高温法の場合は電極上に析出したアルミニウムの再溶解による金属霧が発生した。 (5)低温法,高温法いずれの場合も電解途中で急冷凝固し、電極表面をXMAで観察したところAlは電極表面に層状に密着して析出していることがわかった。 これらの結果を日本鉱業会九州支部にて講演発表した。
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Research Products
(1 results)