1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550504
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
今林 守 茨城大学, 工学部, 教授 (10007601)
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Keywords | アルミニウム-リチウム合金の溶解鋳造 / アルミニウム-リチウム合金の水素含有量 / アルミニウム-リチウム合金の水素ぜい性 / アルミニウム-リチウム合金の機械的性質 |
Research Abstract |
高周波真空溶解炉にりよLi含有量の異なる3種類のAL-Li母合金鋳塊(AL-2.7mass%Li,AL-2.42mass%LiおよびAL-2.19mass%Li)を得た。4×10^<-4>Torrの真空中で溶解した純アルミニウム(99.99mass%)への金属リチウム(99.5mass%)の添加はアルゴン雰囲気中で行なった。これらの母合金鋳塊を純アルゴン雰囲気およびアルゴンと水素の混合雰囲気中で再溶解して水素含有量の異なる鋳塊を得た。得られた鋳塊を圧延して得た板から切り出した試験片について引張り試験を行い、またいくつかの鋳塊については含有水素量を測定した。得られた成果の概要はつぎのとおりである。 1.水素を多量に含むAL-Li合金の引張特性は、水素含有量の少ない合金のそれと比べて、焼なまし状態あるいは容体化処理状態では明瞭な差異を示さないが、時効状態では伸びが低下し、水素脆化の傾向を示す。 2.AL-Li合金は溶解鋳造過程において他のアルミニウム合金に比べて水素を吸収し易いが、溶湯を長時間純アルゴン雰囲気中で保持することにより、これらの溶湯から得られる鋳塊中の含有水素量を他のアルミニウム合金鋳塊中のそれと同程度にまで低減させることができる。 3.溶解鋳造時に吸収される水素を低減させることによりAL-Li合金の靱性を或程度改善できることがわかった。 以上の成果は昭和63年11月軽金属学会において口頭発表された。
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