1986 Fiscal Year Annual Research Report
ダイカスト法におけるインジェクション時の溶湯流動の解明およびその制御
Project/Area Number |
61550511
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
野村 宏之 豊橋技科大, 工学部, 助教授 (60023272)
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Keywords | ダイカスト / メタルインジェクション / 金属射出成型 / 気液混相流 / 容器内流動 |
Research Abstract |
高精度で鋳肌のすぐれたダイカスト製品をつくるためには、キャビティ内の湯流れを最適化する必要がある。本研究では、今年度水によるコールドモデルを用いてキャビティ内流れ挙動の解明を行い、実際に問題となる空気まき込み、合流面の形成などについて基礎的調査を行った。 320×115×6mmのアクリル製キャビティに射出シリンダと押出しシリンダをとりつけ、キャビティまわりのベントの配置条件とゲートからの水射出速度を変えて実験を行った。実際のダイカストとの相似性はRe数を合致させた。キャビティ内流動を油点法により可視化し、電流短絡法により流れ到達時間を測定した。得られた結果は以下のようである。 1.流れはゲートよりスプラッシュ状となってキャビティ内に噴出し、周回するように空間を満たしてゆく。今回のように内部模型を設けない場合にはベント配置を変えても流れパターンはあまり変化しなかった。 2.流れはキャビティ厚み方向では変化は大きく、3次元的流れが得られた。このため、ゲート面側と非ゲート面側では同一ベントへの流れ到達時間が異なる場合が多い。実際的にはこのようなことが生ずると、ベント付近で介在物や気泡が滞留する可能性があり、好ましくない。ベント設計に一指針を与えることができた。 3.実際の流れでは、キャビティ内部で流れの合流面が生じ、合流面で1m/sec以下の大きさの流速の場合、湯境いなどの欠陥が生成する。本研究でもそのような流動条件がベント配置によって生ずることが予想できた。 4.非定常のナビエ・ストークス式を基本式として、キャビティ内の流動状態を定量的に評価するアルゴリズムを構築した。現在数値実験を行いつつあり、最適ベント配置、ゲート条件などを求めつつある。今後ホットモデルについても研究を進めてゆく。
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