1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550517
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 公一 東北大, 工学部, 助教授 (90108465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徹 東北大学, 工学部, 助手 (80188028)
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Keywords | 金属間化合物 / ケイ素鋼 / 鉄 / 脆性破壊 / 塑性加工 |
Research Abstract |
本研究は、磁芯材料としてその開発が望まれている6.5%珪素鋼(金属間化合物【Fe_3】Siを室温近傍で圧延可能なように改良することを目的として行なわれた。 1.脆性破壊に対する酸素の影響 (1)鉄。6.5%珪素鋼の基本元素である鉄の脆性破壊、特にほとんど解明されていない酸素の影響を調べた。試料として、35重量%の酸素を含む鉄と、水素中帯溶融で作成した1重量%以下の酸素しか含まない鉄を用いた。前者が脆性を示す条件でも、後者は延性を示すことが明らかになり、酸素は重要な脆化元素で、1重量%以下とすれば延性が改善できることが結論された。 (2)6.5%珪素鋼。6.5%珪素は酸素の有無にかかわらず、常に脆性であった。このことは他の脆化元素が脆性の原因となっていることを意味しており、リンおよび硫黄を低減させた材料を用いて以下の研究を行なった。 2.低リン低硫黄6.5%珪素鋼の変形挙動 (1)延性-脆性遷移温度に対する変形条件の影響。6.5%珪素鋼の延性-脆性遷移温度を可能な限り低下させる条件を調べるために、室温から500℃種々の歪速度で引張試験を行なった。その結果、延性脆性遷移温度は歪速度によって変化し、通常とは逆に高歪速度ほど延性が増すという興味ある知見が得られた。 (2)圧延特性。上記の結果に基づいて、圧延速度と延性との関係を調べた。圧延においても高速ほど延性が増すことが明らかになり、低リン低硫黄6.5%珪素鋼では、200℃という室温にかなり近い所まで圧延可能温度を低下させることができた。 次年度は、圧延可能限界温度の決定、および、圧延で得られた材料の力学特性の評価を行なう。
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