1986 Fiscal Year Annual Research Report
エキソ電子放射測定による商用純Alの冷間圧接性と疲労強度の評価
Project/Area Number |
61550520
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
本間 恒夫 秋大, 鉱山学部, 教授 (70005841)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 侃 秋田大学, 鉱山学部金属材料学科, 助手 (30006671)
五十嵐 保 秋田大学, 鉱山学部金属材料学科, 講師 (80006642)
品田 豊 秋田大学, 鉱山学部金属材料学科, 助教授 (70006675)
|
Keywords | 光励起エキソ電子放射 / PSEE / 商用純Al / 冷間圧接性 / 疲労寿命 / 表面の活性度 / 表面粗さ |
Research Abstract |
1.本研究の目的とその特徴。 冷間圧接を行う場合。圧接界面の表面活性度がもっとも問題となるが、本研究の特徴は光励起エキソ電子放射(PSEE)の測定により、これを評価しようとする点である。本年度は申請書の研究計画にしたがって、以下にのべるように進展し、初年度の研究目標はほぼ完全に達成されたと考える。 2.研究経過とその結果。 商用純Al(A1050)を試料として、これを20φx20mmの円筒状に機械加工後、350℃、2時間アルゴン中で焼なましを行った。つぎに圧接界面を鋼製のワイヤーブラシで研摩後、二つ重ね合わせて無拘束の靜的圧縮により、加工度50〜65%の範囲で圧接した。この際、問題となる表面の活性度は、Al表面からのPSEE強度やその経時変化を測定することにより評価した。ワイヤーブラシ後の表面形状は、本研究費により購入した表面粗さ形状測定機(東京精密(株)製サーフコム110A)により検討した。また圧接性を高める目的で、冷間圧接後さらに150〜300℃の各温度で2時間、アルゴン中で焼なましを行って、その拡散熱処理効果についても調べた。主な結果を要約すると、(1).表面粗さが同一の場合は、圧接前の活性度すなわちPSEE強度と、圧接後の接合引張強度とは非常に良い相関を示した。(2).この相関関係はその後の拡散焼なまし処理によっても変らなかった。したがって、冷間圧接性を左右する表面活性度を、エキソ電子放射の測定により定量的に評価し得ることを確認した。 3.次年度の研究方向。 以上にのべたように本年度は計画通りにきわめて順調に推移したが、次年度は、(1).冷間圧接部の疲労寿命について、(2).表面粗さの影響について、さらに詳細に検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)