1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550532
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
隅山 兼治 京都大学, 工学部, 助手 (70101243)
|
Keywords | 気相急冷法 / 非平衡合金 / 熱的安定性 / 磁性体膜 / 新機能材料 |
Research Abstract |
本研究は気相急冷非平衡合金を実用化する際重要な合金の熱的安定性の問題を検討することを目的としている。 1)Ti-Pd合金の非平衡相と熱的安定性 高周波スパッタリング法で水冷並びに液体窒素冷却基板上にTi-Pd合金を作成した。平衡状態図の金属間化合物組成を中心に非晶質相が得られ、Ti高濃度側でbcc相、Pd高濃度側でfcc相が得られた。(非晶質相の形成範囲は低温基板の方が広い)。非晶質相の結晶化温度は約450℃であり組成依存性はないが、その結晶化過程は拡散律進であると考えられる。 2)気相急冷Fe-Pd合金の磁気特性 非平衡Fe合金において、原子体積が膨脹するとFe原子の磁気モーメントが増大することに着目して、Feに原子半径の大きなPdを強制固溶させた合金膜を作成した。bcc-fcc相境界組成の合金において、飽和磁化が180emu/g、保磁力10Oeとなった。300℃以下の低温熱処理により軟磁気特性は改善されたが、磁気ヘッド材料に適用できる程の特性は得られなかった。しかし、500℃で熱処理すると、面内磁気記録材料として実用化されているCo-Ni合金と同程度の保磁力、約2倍の飽和磁束密度を示す合金膜が得られた。 3)Fe-Cu、Fe-Ag、Fe-Cu-Ag合金の構造及び電子構造 高周波スパッタリング法並びにDC対向ターゲット型スパッタリング法で作成した非平衡Fe-Cu、Fe-Ag、Fe-Cu-Ag合金について、熱処理前後のEXAFSスペクトル、X線光電子スペクトルの変化を調べ、非平衡合金の局所原子配列、結合状態を明らかにすべく、現在共同研究を実施している。(EXAFSは高エネルギー物理学研究所共同利用施設において、X線光電子分光は名工大の田中一英教授との共同研究として行なっている)。
|
-
[Publications] K.Sumiyama: Jpn.J.Appl.Phys. 27. 1693-1698 (1988)
-
[Publications] K.Sumiyama: Trans.Jpn.Metals. 29. 962-969 (1988)
-
[Publications] 竹村浩一: 日本金属学会誌. 53. 8-13 (1989)
-
[Publications] K.Sumiyama: J.Physique. (1989)
-
[Publications] K.Sumiyama: J.Physique. (1989)
-
[Publications] N.Kataoka: Acata Metall. (1989)
-
[Publications] K.Sumiyama: Jpn.J.Appl.Phys.(1989)
-
[Publications] M.Ushida: J.Phys.Soc.Jpn.(1989)
-
[Publications] 隅山兼治: "アクティブ「気相急冷非平衡合金の構造と磁性」" (株)ユー・ピー・ユー, 1 (1989)