1986 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素との溶液内化学発光反応を利用する生体関連有機化合物の化学発光分析法の開発
Project/Area Number |
61550558
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山田 正昭 都立大, 工学部, 助手 (10087322)
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Keywords | 化学発光分析 / 活性酸素 / 生体関連有機化合物 / フローインジェクション分析 |
Research Abstract |
本研究ではまず、活性酸素を用いた各種酸化反応メディアでの生体関連有機化合物の発光についてスクリーニングを行った。活性酸素としては【H_2】【O_2】、【H_2】【O_2】とO【Cl^-】との反応で生成する【^1O_2】、【H_2】【O_2】の遷移金属イオンによる分解で生成する・OH及び【O(^-_2)】を利用した。また反応溶媒として水以外に、界面活性剤の分子集合体である二分子膜ベシクル、あるいは非プロトン性溶媒であるアセト=トリルを含む水溶液についても検討を加えた。対象とした生体関連有機化合物はカテコールアミンなどのポリフエノール類,トリプトフアンなどのインドール類,有機酸,ビタミン類など49種である。 その結果、【H_2】【O_2】により没食子酸,タンニン酸(二分子膜ベシクル溶液)【^1O_2】によりインドール類全般,ビタミン【D_2】,P,・OH及び【O(^-_2)】によりフエニルピルビン酸(二分子膜ベシクル溶液),アドレナリン(アセト=トリル溶液)などの化合物で強い化学発光が検出された。さらに活性酸素の代りに、過硫酸塩,過マンガン酸塩などの酸化剤を用いた場合についてのスクリーニングも行った。その結果、過硫酸カリウムでヒドロキノン,過マンガン酸カリウムでカテコールアミン,マレイン酸,ビタミンC及びP,トリプタミンなどの化合物で強い化学発光が認められた。過マンガン酸カリウムを用いた場合、Cu(【II】)やCe(【IV】)が共存すると化学発光強度が増加することも確認された。 今後は、本研究で化学発光が検出された化合物についてさらに詳細な発光条件の最適化を行い、選択性の高い化学発光系についてはフローインジェクション法で、選択性の低い化合物については高速液体クロマトグラフ法で化学発光分析を行うことが課題となろう。今回、化学発光が検出されなかった化合物についても、反応条件などの工夫により発光の検出が可能であるのでさらに検討を加える予定である。
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Research Products
(2 results)