1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550559
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中原 武利 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (20081309)
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Keywords | プラズマ発光分光分析 / マイクロ波誘導プラズマ(MIP)発光分光分析 / 真空紫外波長域測定 / プラズマトーチ / 分光学的温度 / ヨウ素 / 臭素 / 酸化気化導入法 |
Research Abstract |
前年度の研究に引き続いて本研究の最終年度の本年度中に実施した研究の成果は次の通りである。本研究は、誘導結合高周波プラズマ(ICP)やマイクロ波誘導プラズマ(MIP)を用いる発光分光分析によって非金属元素の高感度・高精度な新しい分析方法の確立を目指したものであるが、本年度は特にMIP発光分光分析について重点的に研究した。 1.MIP発光分光分析の装置については市販装置が国内外に全く見当らないので、本研究においてプラズマを生成するためのマイクロ波共鳴キャビティーの試作を含めて分析システムの開発を進め、これを完成した。またシステム全体の性能についても検討した。 2.新しく完成したMIP発光分光分析システムについて、非金属元素の分析線が190nm以下の波長域にある場合に対処できるように光学系の改良・変更を加えることによって真空紫外波長域での測定を可能にした。 3.MIP用の石英製放電管(トーチ)として全く新しい"annular-flaw torch"を試作し、安定で、しかも軸中心で対称性の良いプラズマが得られるようになった。このトーチを用いてプラズマ中の発光強度や分光学的温度(励起温度や回転温度)の分布(プロファイル)を測定した。 4.溶液試料中のヨウ化物イオンを酸化してヨウ素の蒸気の変換してプラズマ中に導入する方を開発し、ヨウ素の定量に新しいMIP発光分光分析法を確立した。最適測定条件下で得られた検出限界はI(I)183.04nmで2.3ng/ml、I(I)206.16nmで3.2ng/nlであった。本法をかん水及び海水中のヨウ素の定量に応用し、満足すべき結果を得ることができた。 5.臭素についてもヨウ素と同じような酸化気化ーMIP発光分光分析を行い、Br(II)470.49nmで38ng/mlの検出限界が得られた。 6.水銀の超高感度性とヨウ化物の水銀に対する干渉を利用してヨウ素のMIP発光分光分析による間接定量を行い、1ng/mlの検出限界を得た。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Taketoshi Nakahara: Analytical Sciences. 4. 223-225 (1988)
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[Publications] Taketoshi Nakahara: Chemistry Express. 3. 651-654 (1988)
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[Publications] 中原武利: プラズマスペクトロスコピー. 8. 156-183 (1988)
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[Publications] Taketoshi Nakahara: Chemistry Express. 4. 73-76 (1989)
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[Publications] Taketoshi Nakahara: Chemistry Express. 4. 161-164 (1989)
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[Publications] Taketoshi Nakahara: Journal of the Spectroscopical Soceity of Japan.
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[Publications] Taketoshi Nakahara: ""Sample Introduction in Atomic Spectroscopy"edited by J.Sneddon" Elsevier Science Publishers, (1989)
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[Publications] 中原武利: "「原子スペクトルー測定とその応用ー」日本分光学会測定法シリーズ" 学会出版センター, (1989)