1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550563
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古市 隆三郎 北海道大学, 工学部, 教授 (40001200)
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Keywords | 金属酸化物 / 粉体 / 反応性 |
Research Abstract |
1.微粉酸化物の反応性 前年度はFe_2O_3粉体のKClO_4熱分解反応に対する反応促進効果をCCDイメージセンサーを用いた熱天秤法により検討した. その結果, 酸化鉄粉体の調製温度, 酸化鉄の添加量により促進効果が異なることが明らかとなった. 本年度はFe_2O_3の他にNiO, , TiO_2, α-Al_2O_3, MgO, Cr_2O_3, CuO, ZnO, V_2O_5の各酸化物粉体について検討した. いずれの酸化物も促進効果を示すが, Cr_2O_3は爆発反応をおこし, NiO, CuO, V_2O_5, Fe_2O_3は固相分解反応をおこす割合が大きい. しかし, TiO_2, α-Al_2O_3, ZnOはその割合が小さい. また, MgOは複雑な分解挙動を示した. 酸化鉄粉体の固相反応に関してはFe_2O_3-ZnO, Fe_2O_3およびFe_2O_3-V_2O_5系について検討した. ZnO, MgOの場合は反応物粉体の混合化を変えて反応速度を測定した結果, 反応物粒子間の接触点が反応速度に大きな影響を持ち, さらに反応物粉体の調製条件も影響することを明らかにした. また, Fe_2O_3とZnOとの反応では反応初期に表面反応と思われる速い反応がおこるが, Fe_2O_3-MgO系ではそれが認められなかった. Fe_2O_3とV_2O_5の反応では調製条件の相違によりV_2O_5の結晶格子歪が大きくなり反応速度も大きくなることがわかった. 2.微粉酸化物の表面特性の評価 乾電池に用いられるMnO_2の性能は調製条件により大きく変化するが, これは電解質溶液中でのMnO_2表面の≡MnOH(水酸基)の解離によって決まると考えられる. MnO_2表面の特性評の方法として, この水酸基の解離平衡定数を求めた. MnO_2の加熱処理により, 酸解離平衡定数は減少し, 塩基解離平衡定数は増大することがわかった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ryusaburo Furuichi: Reactivity of Solids. 1. 309-318 (1986)
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[Publications] 古市 隆三郎: 北海道大学工学部研究報告. NO134. 19-31 (1987)
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[Publications] Akira Simizu: 北海道大学工学部研究報告. NO136. 99-109 (1987)
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[Publications] 田村 紘基: 日本化学会誌. NO8. 1524-1592 (1987)