1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550565
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐々木 義典 千葉大, 工学部, 助教授 (40009270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛川 一幸 千葉大学, 工学部, 助手 (50009693)
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Keywords | 一リン化マンガン / 一リン化二マンガン / 一リン化ニオブ / リン化反応 / 反応速度 / マーカー実験 |
Research Abstract |
金属リン化物は半導体材料(リン化ガリウム・リン化インジウム等)として、また精密機械材料の添加素材(リン化銅)として実用化されている。一方、リン蒸気およびリン化合物による装置材料の腐食という問題があり、これらに対する耐食金属材料の開発研究も必要となっている。 金属リン化物の生成反応に関する研究の一環として、本研究では先ずマンガンのリン化反応の実験を行った。金属マンガン板(大きさ6mm×15mm×0.7mm)と高純度赤リンを減圧下に石英管に封じ込み、液状リンに転化した後、横型二段炉で反応温度とリン蒸気圧を制御し、リン化実験を行なった。400°〜600°C リン蒸気圧1atmの反応条件下で、反応はすべて放物線速度則にしたがった。それゆえ、律速段階は拡散過程と思われる。マーカー実験法を適用した結果、拡散種はマンガンであることが示された。X線回折およびX線マイクロアナライザ分析によると、生成物被膜の外層はMnP,内層はMnzPからなっていた。 つぎに、耐リン化性金属材料の開発研究の一つとして、ニオブのリン化実験(650°〜800°C,リン蒸気圧1atm)を行なった。反応はすべて放物線速度則にしたがって進行し、生成したリン化物被膜は、NbPのみからなる単層であることがわかった。また、ステンレス鋼の主な構成金属である鉄、ニッケルクロムのリン化反応速度定数との比較から、ニオブは耐リン化性という点においてニッケルおよび鉄よりもはるかに優れており、クロムに対しては若干優れていることが明らかとなった。 現在、タングステンおよびモリブデンのリン化反応実験を続行中である。また、金属リン化物の相安定性を論ずるに必要な熱力学量としての平衡解離圧の測定装置を準備中である。
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[Publications] Yoshinori SASAKI: Journal of the Electrochemical Society. 134. 1015-1018 (1987)
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[Publications] 佐々木義典: 電気化学および工業物理化学.
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[Publications] 佐々木義典: 電気化学および工業物理化学.