1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550566
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
掛川 一幸 千葉大学, 工学部, 助教授 (50009693)
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Keywords | ペロブスカイト型化合物 / 三成分系固溶体 / 合成法 / 組成変動 / 電気-機械結合係数 |
Research Abstract |
本年度は、縮小された予算であったので、次の2点について検討を行った。 1.Pb{(Zn_xTi_<1-x>)┣D21-y(Coy┣D23┫D2Nb┣D22/3┫D2)y}O┣D23┫D2の合成法を検討した。この固溶体を湿式乾式組み合わせ法により合成するには、水溶液よりTi┣D14+┫D1,Zr┣D14+┫D1,Co┣D12+┫D1,Nb┣D15+┫D1の同時沈澱を行う必要がある。このうち、Ti┣D14+┫D1,Zr┣D14+┫D1,Nb┣D15+┫D1はアルカリ性にすることにより、水酸化物として、定量的に沈澱させることができる。アルカリ性でCa┣D12+┫D1を定量的に沈澱させるためには、有機キレート試薬であるオキシンが有効であることが判った。検討の結果同時沈澱のための最低pH条件はpH9.9〜11.6であった。オキシンの6規定アンモニア水溶液のpHは、この条件を満足していたのでpHの厳密な管理を行わなくても良く、合成は容易であることが判った。このようにして得た沈澱を熱分解後、一酸化鉛と混合し、焼成することにより目的の固溶体、Pb(Zr,Ti)(Co┣D21/3┫D2Nb┣D22/3┫D2)O┣D23┫D2を得ることができた。この反応過程を検討した結果、従来法である乾式法とは異なり、中間生成物なしに、最終固溶体の生成することが判り、本方法による原料粉末は、反応性に優れていることが判った。 2.前年度までの当該研究により、新しい合成法の開発されたPb{(Zr_xTi_<1-x>)_<1-y>(Mg_<1/3>Nb_<2/3>)y}O_3の圧電特性を検討した。最適仮焼条件で仮焼後、1100℃1時間焼結した試料の電気-機械結合係数と組成との関係を測定した。この焼成条件は、従来報告されている温度より低いのにもかかわらず、報告されている電気-機械結合係数より大きな値を示し、当研究で開発された合成法は、優れた圧電材料を製造するのに適した方法であることが判った。
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[Publications] 掛川一幸: Journal of Materials Science Letters. 7. 230-232 (1988)
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[Publications] 掛川一幸: 日本セラミックス協会学術論文誌. 96. 681-686 (1988)
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[Publications] 掛川一幸: Journal of the American Ceramic Society. 71. C444-C446 (1988)