1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550570
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
酒井 鎮美 静大, 工学部, 教授 (80023042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福沢 信一 静岡大学, 工学部, 助手 (50173331)
藤波 達雄 静岡大学, 工学部, 助教授 (80022010)
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Keywords | 界面活性有機遷移金属錯体 / シクロペンタジエニル(長鎖アルキルベンゼン)鉄カチオン鎖体 / 長鎖アルキルコバルトセニウム塩 / 長鎖アルキルアミノカルボニルコバルトセニウム塩 / アルコキシカルボニルコバルトセニウム塩 |
Research Abstract |
金属アルコキシド等、金属・炭素結合を有しない有機金属錯体の無機化による無機材料の研究は盛んであるが、これらの出発原料の化学構造を精密に制御することは困難である。本研究は、金属・炭素結合を有し、分子あるいはその集合体の構造を制御する方法を開発し、その集合体を形成する有機金属化合物の合成ならびに性質を検討し、ついで、これらの物質を無機化した材料の検討を行なう。初年度である61年度は,,長鎖アルキル基を有する表面活性遷移金属カチオン錯体の合成法の確立を主とした。すなわち、從来、長鎖アルキル基を有する安定な有機金属錯体の合成は困難とされていたが、フェロセンと長鎖アルキルベンゼンを塩化アルミニウム共存下で、加熱する方法でシクロペンタジエニル(アルキルベンゼン)鉄カチオン錯体を好収率で得た。ついで、長鎖アルキルシクロペンタジエンおよびジカルボニルシクロペンタジエニルコバルトとの反応でアルキルコバルトセニウム塩の合成を試みたが、収率は非常に低く、炭素数12以上のアルキル基を有するものは合成できなかった。そこで、モノ-あるいはビス-クロゝカルボニルコバルトセニウム塩と長鎖アルキルアミンあるいはアルコールとの反応で、モノ-あるいはビス-アミノカルボニルあるいはアルコキシカルボニルコバルトセニウム塩を良収率で合成できた。以上の長鎖アルキル遷移金属カチオン鎖体の表面張力・濃度曲線はいずれも臨界ミセル濃度を示し、ミセルあるいは薄膜を形成することが明らかとなり、さらに、錯体構造とミセル集合構造の関係、ミセル形成と錯体の酸化還元電位の関係も検討した。他方、テルルあるいはスズを含む界面機能物質も合成した。ついで、これらの単独あるいは複合膜を酸化あるいは還元雰囲気下で数百度に加熱して無機化する装置を組み立てたので、今後、各種の無桟薄膜材料の調性およびその性質について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Sakaki;H.Takayanagi;H.Kozawa;S.Fukuzawa;T.Fujinami: J.C.S.,Chem.Comm.,.
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[Publications] S.Sakaki;H.Takayanagi;N.Sumimoto;S.Fukuzawa;T.Fujinami: Appl.Organomet.Chem.,.