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1986 Fiscal Year Annual Research Report

水熱法によるカルサイト単結晶の育成と評価

Research Project

Project/Area Number 61550571
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

平野 真一  名大, 工学部, 教授 (30016828)

Keywords水熱法 / カルサイト / 単結晶育成と評価
Research Abstract

光を用いた情報処理や通信方式の採用により、光アイソレーターとしてカルサイト単結晶は欠くことができない光学材料となってきた。しかし、天然の良質結晶は枯渇している。本研究は、申請者のこれまでの予備実験によって有効性が認められた水熱法を用いて、カルサイトの工業的育成のための最適条件を明らかにし、結晶の評価を行うことを目的としている。良質結晶を工業的に育成するためには、完全性が高い結晶を十分な成長速度で育成しうる熱水溶液の選択を行なうことが必要である。本研究では、天然カルサイトの成長に関与していたと考えられる塩化ナトリウム,塩化カリウム熱水溶液が効果的な溶液であることを見出し、それらの熱水溶液中におけるカルサイトの溶解度を測定した。塩化ナトリウム熱水溶液中では、育成に十分な溶解度があり、その溶解熱は46kJ/molであった。成長した結晶は{10【1!~】1}面で囲まれた菱面体の形をし、赤外線吸収スペクトル分析では、天然良質単結晶と同程度の良い光学的完全性を有していることが明らかになった。塩化カリウム溶液も同様に良い溶媒であることがわかった。
塩化物系熱水溶液に対して、硝酸塩系熱水溶液の方が、溶解度の向上とより低温での育成の可能性の両面から考え、より優れた熱水溶媒であることに着目し、世界で初めて硝酸塩溶媒の有効性を見出した。硝酸ナトリウム熱水溶液中での溶解度は、同条件で、塩化ナトリウム熱水溶液中での溶解度の2倍と高く、硝酸カルシウム熱水溶液中での値に近かった。硝酸カルシウム溶液中での育成では、カルシウムイオンが育成結晶と同一であり、不純物イオンの混入もなく最適育成条件であることがわかった。溶解熱は43.8kJ/molで{10【1!~】1}面で囲まれた、よく発達した単結晶を育成することができ、その転位密度は【10^(-3)】【cm^(-2)】程度と非常に良質であり、今後の発展が各国から期待されている。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] S.Hirano;K.Kikuta: J.Crystal Growth. 79. 223-226 (1986)

  • [Publications] S.Hirano;K.Kikuta: Bull.Chem.Soc.Japan. 1987. (1987)

URL: 

Published: 1988-11-09   Modified: 2016-04-21  

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