1986 Fiscal Year Annual Research Report
超多成分系による安定化アモルファス材料の作製に関する研究
Project/Area Number |
61550573
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
大田 陸夫 京工繊大, 工芸学部, 教授 (30026124)
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Keywords | ガラス化領域 / Si【O_2】-【Li_2】O-【Na_2】O-【K_2】O系 / 【B_2】【O_3】-【Li_2】O-【Na_2】O-【K_2】O系 / 融液粘度 |
Research Abstract |
61年度行なった研究は1.ガラス化領域の決定、2.融液の粘性特性の測定の2項目に分かれる。1.多成分系のガラス化領域の決定については、アルカリ酸化物【Li_2】O,【Na_2】O,【K_2】O3種を含むケイ酸塩系Si【O_2】-【Li_2】O-【Na_2】O-【K_2】Oを対象とした。試薬特級の二酸化ケイ素およびアルカリ炭酸塩(【Li_2】【Co_3】,【Na_2】【Co_3】【K_2】【Co_3】を原料とした。所定の組織の混合物を20CC白金るつぼに入れ、電気炉中で空気雰囲気のもとで900〜1200℃の温度で約10分間加熱溶融した後、(1)るつぼを炉外にとり出し、放冷…空冷、(2)るつぼを水中に浸す……水冷、(3)ツインローラーで急冷する……ローラー急冷 の3つの冷却方法でTg以下の温度まで冷却固化した。固化物は肉眼およびX線回析法でガラスと結晶の区別を行なった。等モルの濃度のアルカリを含むSi【O_2】-【Li_2】O-【Na_2】O-【K_2】O系においては、ガラス化領域は、空冷ではSi【O_2】≧45モル%、水冷Si【O_2】≧43モル%、ローラー急冷Si【O_2】≧35モル%であった。ついで、Si【O_2】=42モル%一定で【Li_2】O;【Na_2】O;【K_2】Oの濃度比が異なった場合のガラス化領域を同様な方法で決定した。その結果、水冷の場合、Si【O_2】=42モル%、【Li_2】O=12〜30モル%、【Na_2】O=12〜36モル%、【K_2】O=6〜18モル%の組成でガラスが生成した。これは(Si【O_2】=42モル%)【Li_2】O-【Na_2】O-【K_2】O3成分系の中央より低【K_2】O濃度組成にガラス化領域が片寄っていることを示している。2.多成分系融液の粘性特性の測定については、白金球引上げ法を用いて行なった。溶融温度の比較的低い70【B_2】【O_3】30(【Li_2】O+【Na_2】O+【K_2】O)系を選んだ。750゜〜1000℃の温度域で、粘度範囲はlog7(ポイズ)=0〜3の間であった。等温粘度は70【B_2】【O_3】30(【Na_2】O+【K_2】O)系では、【Na_2】O=【K_2】O=15モル%のとき極小となった。70【B_2】【O_3】30(【Li_2】O+【Na_2】O+【K_2】)系では、【Li_2】O=20、【Na_2】O=【K_2】O=5モル%又は、【Li_2】O=【Na_2】O=【K_2】O=10モル%の混合アルカリ組成のとき極小となった。
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