1986 Fiscal Year Annual Research Report
非定常熱線法による高温材料の熱三定数の同時測定に関する研究
Project/Area Number |
61550575
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 国郎 京工繊大, 大学併設短期大学部, 助教授 (30027817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 泰則 京都工芸繊維大学, 工業短期大学部, 助教授 (50101259)
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Keywords | 熱伝導率 / 熱拡散率 / 比熱容量 / 非定常熱線法 / 不定形耐火物 / マグネシア質キャスタブル / マグークロ質キャスタブル |
Research Abstract |
非定常熱線法の原理から、熱伝導率と同時に熱拡散率、比熱容量も測定できることに着目し、高温材料への適用性を検討した結果、次のような成果がえられた。 1)無限媒体中に仮定された直線状熱源(熱線)から放散される熱の移動の過渡現象の解析を行い、上記熱三定数の同時測定を可能にするための熱線への通電回路、並びに熱線の電気抵抗の時間的変化をデジタルマルチメーターで検出し、マイコンに入力するためのインターフェースの設計、試作を行った。次に、入力された熱線の抵抗の時間的変化から温度上昇率を知るための換算、測定の最適条件の判別、熱三定数の算出までの測定を自動的に行うためのプログラムを開発した。 2)熱拡散率の算出に不可欠となる熱線の見掛け半径rを決定するために、シリコンゴム円柱状試料の中心軸に白金線を埋設して熱伝導率の測定を行い別に測定した比熱容量から熱拡散率を求め、この熱三定数を基礎式に代入してrを計算した結果、0.023cmとなったので、以下の測定にはこの値を用いることにした。 3)本測定法の妥当性を検討するために、試料が熱線に密着する不定形耐火物(水分を加えて泥状とし、型に鋳込んだ後固化する高温材料)を試料として、室温から1000℃までの熱三定数の同時測定を行った結果、マグネシア質マグークロ質の熱伝導率、熱拡散率はいずれも従来の測定値とよく一致した温度依存性を示すことが分かった。しかし、マグネシア質の比熱容量は400℃以上でやや減少するという異状な温度依存性を示した。 4)今後、あらかじめ熱線が埋設できないような成形体に対して、熱拡散率の算出に必要な任意時間における熱線上昇温度を測定する方法について検討し、本測定方法の確立を図る。
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