1986 Fiscal Year Annual Research Report
大粒径高分子ラテックスの中空糸表面への付着性に関する界面電気的研究
Project/Area Number |
61550594
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白浜 博幸 広島大, 工学部, 助手 (60127660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 久司 広島大学, 工学部, 助手 (40106802)
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Keywords | 大粒径高分子ラテックス / 中空糸 / 界面電気 / 付着性 |
Research Abstract |
生体コロイドのモデル粒子として、大粒径ポリスチレン(PS)ラテックス粒子(直径3〜4μm)を、小粒径PSラテックス(粒子直径約0.5μm)のシード重合により合成した。これらの粒子表面は疎水性であるため、さらにその粒子表面をポリアクリルアミド(PAAm)でアンカー被覆して、親水性表面を有する大粒径高分子ラテックスを得た。 大粒径PSラテックスおよびPAAm被覆ラテックス粒子のζ電位のNaCl濃度による変化を、顕微鏡電気泳動法により測定した。大粒径PSラテックス粒子の負のζ値はNaCl濃度の増加と共に増加し、さらに極大を経て減少する傾向を示した。一方、PAAm被覆ラテックス粒子の負のζ値は、NaCl濃度の増加と共に漸次減少した。これは、被覆PAAmによる電気二重層における'ずり面'の溶液相側への移動によるものであろう。医療用疎水性ポリオレフィン中空糸のζ電位を流動電位法により測定したところ負値を示し、その値はpHの増加と共に増加したが、逆にNaCl濃度の増加に伴い減少した。 大粒径ラテックスの中空糸表面への付着量を、pHおよびNaCl濃度を変化させて測定した。その付着量は、コールターカウンターを用いて付着前後のラテックス粒子数を直接計数することにより求めた。PSラテックスおよびPAAm被覆ラテックス共に、pHの減少およびNaCl濃度の増加により、その付着量が急激に増加することが明らかにかった。 上述した結果などから、生体コロイドモデル粒子としての大粒径高分子ラテックス粒子の中空糸表面への付着性は、主として界面電気的性質に基づく両者間の静電的相互作用により支配されることが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hisashi Tamai: J.Appl.Polym.Sci.30. 3857-3866 (1985)
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[Publications] Hisashi Tamai: J.Colloid Interface Sci.114. 267-269 (1986)
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[Publications] Hisashi Tamai: Yukagaku. 35. 737-741 (1986)
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[Publications] Hisashi Tamai: J.Colloid Interface Sci.
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[Publications] Kiyoko Kawasaki: Textile Res.J.56. 598-603 (1986)