1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550598
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒井 弘通 九大, 国立大学(その他), 教授 (10011024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 浩一 九州大学大学院, 総合理工学研究科, 助教授 (00168775)
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Keywords | 触媒燃焼 / メタン燃焼触媒 / 多孔質セラミックス担体 / マグネトプラムバイト構造 / バリウムアルミネート / アルコキシド法 |
Research Abstract |
燃焼効率とNOx発生に優れる触媒燃焼法を用いたガスタービンなどの高温燃焼プロセスの実現化には1400℃を超える高温下で高表面積を維持し、かつ酸化活性に優れる触媒の開発が必要である。我々は以前種々の耐熱性酸化物の表面積に及ぼす添加物効果を調べた結果、Magnetoplumbite(MP)類似の層状アルミネート、BaO・6【Al_2】【O_3】が高表面積を有する優れた耐熱性担体になることを見出した。本年度はこの担体の調製法及び活性成分の導入方法について詳細に検討した。BaO・6【Al_2】【O_3】系担体は酸化物と炭酸塩の粉末混合物の焼成もしくは金属アルコキシドの加水分解物から調製した。担体の特性はBET表面積、担持触媒のメタン燃焼活性により評価し、走査電顕(SEM)、分析電顕(AEM)を用いて微細構造観察及び局所分析を行った。【Al_2】【O_3】の表面積が、1200℃付近で起こるα相への転移に伴い1600℃の焼成では1【m^2】まで低下するのに対し、粉末混合法によるBaO-【Al_2】【O_3】系は6【m^2】/g、アルコキシド法12【m^2】/gの高表面積が得られた。X線回折によりBaOの添加効果はMP類似構造を持つBaO・6【Al_2】【O_3】の形成によることが明らかとなった。粉末混合法ではBaO・6【Al_2】【O_3】が表面積の小さいBaO【Al_2】【O_3】を経て生成するのに対し、アルコキシド法では直接、難焼結性のBaO・6【Al_2】【O_3】が生成するため表面積の低下が抑制される。アルコキシド法ではSEM観察により微粒子が得られること、AEMにより粒子の組成分析から試料の組成均一性に極めて優れていることなどが示され、BaO・6【Al_2】【O_3】の直接生成は原子レベルでの高い混合性に起因すると考えられる。アルミナ及びBaO・6【Al_2】【O_3】に酸化コバルトを10wt%担持した触媒のメタン燃焼活性を調べたところ、いずれの触媒も反応温度の上昇とともに活性は単調に増加した。また、触媒活性は担体の表面積に強く依存しており、活性序列は【Al_2】【O_3】<BaO.6【Al_2】【O_3】(粉末混合法)<BaO・6【Al_2】【O_3】(アルコキシド法)となった。このように、燃焼活性は担体の高表面積化によって著しく向上することがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Machida;K.Eguchi;H.Arai: Chemistry Letters. 1986. 151-154 (1986)
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[Publications] T.Yamada;K.Eguchi;T.Seilyama;H.Arai: Applied Catalysis. 26. 265-276 (1986)
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[Publications] 町田正人,江口浩一,荒井弘通: 触媒. 28. 361-364 (1986)
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[Publications] M.Machida;K.Eguchi;H.Arai: Chemistry Letters. 1986. 1993-1996 (1986)
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[Publications] 荒井弘通: 表面. 24. 658-667 (1986)
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[Publications] 荒井弘通: 化学装置. 29. 134-137 (1986)