1986 Fiscal Year Annual Research Report
各種電流・電位波形によるパラジウム及びパラジウム合金の電析に関する研究
Project/Area Number |
61550599
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
細川 邦典 九工大, 工学部, 教授 (30039036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高上 僚一 九州工業大学, 工学部, 教務員 (70142354)
津留 豊 九州工業大学, 工学部, 講師 (50089950)
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Keywords | パラジウム電析 / パラジウム-ニッケル合金電析 / 交流電解 / 直流重畳交流電解 / 定電位パルス電解 / 周期的逆転電位電解 / 定電流パルス電解 / 電析物のアノード溶解 |
Research Abstract |
1.Pilet氏浴及びエチレンジアミン浴からのパラジウム電析について、まず定電位パルス法,周期的逆転電位電解法の電位制御法により検討した。アノード電解を伴うこれらの方法では、最適の電解条件下で極めて平滑な電析物が得られることが判明した。電位や周期などのパラメータを変化させて研究した結果、上述の電解浴では、電析後充分に時間が経過するとアノード溶解は生じないが、電析直後のパラジウムはその一部分が可逆的にアノード酸化されることが判明した。すなわち、これらの電位制御法で平滑な電析物が得られるのは、析出直後に高エネルギー状態にあるパラジウムがアノード溶解するためであり、荒れた表面を形成する核がなくなることによるとのメカニズムが明らかになった。 2.より実用的な電解法を関発するため、交流法及び直流重畳交流法により上述の浴からのパラジウム電析を研究した。その結果、周期の長い交流法では、析出物のアノード溶解の不可逆性により電析物が得られることが明らかとなったが、良好な表面形態を得る条件は見出せなかった。しかし、直流重畳交流法では、電析及び溶解反応がほぼ可逆的に進行し、0.5Hz以下の周波数では10μm以上の厚さまで平滑な電析が可能であることを見出した。 3.エチレンジアミン浴からのパラジウム-ニッケル電析をまず定電位法により検討した結果、ニッケルの析出反応がpH及び浴中のエチレンジアミン量により影響され、その原因は浴中でのニッケル錯体の構造と密接に関連することを明らかにした。さらに、定電流パルス法を適用し、パルスパラメータが電析物組成と表面形態に及ぼす影響を研究した。その結果、中性浴では高過電圧下でパラジウム析出が拡散限界に達しても、ニッケル析出は抑制されており、パラジウムが約80at.%の目的とする組成が容易に得られることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)