1987 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩電解法によるCVD用無機フッ化物の合成に関する研究
Project/Area Number |
61550606
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田坂 明政 同志社大学, 工学部, 教授 (90066275)
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Keywords | 溶融フッ化物 / 溶融塩電解 / 電解フッ素化 / タングステン酸アンモニウム / モリブデン酸アンモニウム / 六フッ化タングステン / 六フッ化モリブデン |
Research Abstract |
1.今年度に行った研究によって得られた新たな知見, 成果は次のとおりである. (1)120゜Cにおける溶融KF・2HFへの(NH_4)_2WO_4または(NH_4)_2MoO_4の溶解度は, いずれも約1.2mol%であった. (2)炭素電極上でのサイクリックボルタンモグラムにおいて, (NH_4)_2WO_4は2.8VvsPT, (NH_4)_2MoO_4は3.0Vvs.PTに電流ピークがあり, その値は, いずれも, 添加物質濃度に依存した. (3)表面にフッ化物被膜が生成した炭素電極上での臨界電流密度は, (NH_4)_2・WO_4または(NH_4)_2MoO_4の添加濃度につれて増大した. (4)(NH_4)_2WO_4または(NH_4)_2MoC_4の添加濃度につれて, 陰極反応である水素発生反応の電流効率が低下した. (5)定電位電解によって得られた陽極ガスの成分は, いずれの場合にも同じで, それは, N_2, O_2, NF_3,CF_4,CO_2,N_2Oであった. (6)以上の結果から, (NH_4)_2WO_4または(NH_4)_2MoO_4のいずれの場合にも, NH_4^+の電解ふッ素化反応の他に, それぞれ, WF^<2x>O_<4-x>^<2->またはMoF_<2x>O_<4-x>^<2->(1≦X≦4)などの高分子価イオンが対流・拡散によって陰極に輸送されて陰極で還元され, また, 生成した低原子価イオンは陽極で再酸化される反応も起こっていることがわかった. 2.今後の研究に関する計画はD2次のとおりである. (1)陽極ガス中に酸素が認められなくなるまで定電位電解を続け、WF_6またはMoF_6が気体として生成するか否かを確認する。 (2)WF_<6_およびMoF_6>の生成反応機構を解析する。
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