1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550625
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小山内 州一 慶応大, 理工学部, 助教授 (70051828)
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Keywords | 両性界面活性剤 / 抗菌性 / ジアステレオマー / エナンチオマー / 不斉窒素 / 光学活性 |
Research Abstract |
キラリティを有する新規な界面活性剤を研究する目的で以下の一般式で表わされるアミノ酸型(【I】),アミノスルホン酸型両性界面活性剤(【II】)を合成疎水基や親水基の相違とあわせて比較,検討した。またベタイン型両性界面活性剤(【III】)を合成し、不斉炭素と不斉窒素に基づくジアステレオマーを分割し、細菌真菌に対する抗菌性について検討を試みた。 その結果、アミノ酸型(【I】)およびアミノスルホン酸型(【II】)界面活性剤においてその水溶液の表面張力低下能はアルキル鎖長および分子内の2つの親水基間のメチレン数による差は認められ、アルキル鎖が長い程、親水基間のメチレン数が少ない程、臨界ミセル濃度(cmc)は低下した。一方、平衡表面張力値(γcmc)あるいはcmcのキラリティによる明確な差異は認められなかった。抗菌性に注目した場合、本実験における両性界面活性剤は細菌のうちグラム陽性菌、および真菌に対して抗菌性を示し、長鎖アルキル基としてドデシル同族体の方が秀れた抗菌性を示した。また2つの不斉中心を持つベタイン型両性界面活性剤ではその抗菌性においてエナンチオマー間では明確な差は認められなかったがジアステレオマー間ではS.cerevisiae,T.interdigitalの様な真菌に対して差異が認められた。 今後の研究の展開として【R_1】【R_2】【R_3】-【N^+】-(【CH_2】)-【N^+】-【R_1】【R2_】【R_3】なる一般式を持つ2つの不斉窒素を持つ活性剤を合成してそのメソ体を考慮した光学活性の影響について検討する予定である。
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