1986 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ導電パターン高分子ハイブリッド膜を用いたエレクトロニクスデバイスの開発
Project/Area Number |
61550667
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
重原 淳孝 理研, その他, 研究員 (60170867)
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Keywords | 異方電導性 / 化学修飾電極 / 高分子ハイブリッド膜 / 電解重合 / ナフィオン / 被覆電極 / ミクロ導電パターン |
Research Abstract |
強アニオン性電解質であるナフィオン-117を被覆した電極を用いて、ピロール、チオフェン、セレノフェンの三種の複素五員環化合物を電解重合させた。得られたハイブリッド膜は、ナフィオンのパーフルオロエチレン主鎖より成る"海"の中に、ナフィオンのアニオン性基がドープされた複素五員環化合物重合体の導電性円筒状ドメインが点在する構成となっていることがわかった。また、この円筒状ドメインの径は基板の表面自由エネルギー(基板の材質及び表面処理に依存)、ナフィオン被覆膜の作成条件、電解重合の程度、によりサブミクロン〜100μmの範囲で制御可能であった。これらハイブリッド膜の垂直方向の導電性はポリピロール系で【10^0】、ポリチオフェン系で【10^(-3)】〜【10^(-6)】、ポリセレノフェン系で【10^(-8)】S/cmであり、水平方向の導電性はそれより約2〜4桁低く、良好な異方電導性膜であることがわかった。電解重合により得られる導電性膜は、通常易動性の低分子ドーパントを含むためアルミニウム等の任事関数の小さい金属を腐蝕し、ショットキー接合等を作成できない。しかしながら本研究のハイブリッド膜では、ナフィオンの固定アニオンがドーパントとなっているため腐蝕が起こらず、良好な特性を有する素子子が得られた。 次年度においては、ナフィオン以外の電解質を用いたハイブリッド膜の作成とその電気物性測定、及び希土類ジフタロシアニン等の発色物質と組み合わせたエレクトロクロミックディスプレイの作成、などを検討する予定である。
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Research Products
(1 results)