1987 Fiscal Year Annual Research Report
ジエン系ポリマーおよびコポリマーのC-B NMRによる連鎖構造解析
Project/Area Number |
61550670
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 寿弥 東京農工大学, 工学部, 助教授 (90092486)
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Keywords | ポリブタジエン / スチレンーブタジエン共重合体 / C13-NMR / シグナル帰属 / 連鎖分布 / 低分子モデル / 部分重水素化ポリマー |
Research Abstract |
ブタジエントリゴマーをブチルリチウムを開始剤とするアニオン重合により合成した. 二量体までのオリゴマーをGPCで分取し, HPLCにより幾何異性やジアステレオマーに分別した. これらのオリゴマーのC-13NMRを測定し, ポリブタジエン(PBD)中の各種炭素の化学シフトを予測した. 化学シフトの予測値と実測値の比較, DEPT測定によるメチレンとメチン炭素シグナルの区別し, 異性構造の割合とシグナル強度の関連を考慮に入れ, ポリブタジエンのC-13NMRスペクトルを帰属した. ブチルリチウム, ラジカル開始剤, コバルト触媒で合成したPBDについて, メチレン炭素のシグナル強度比から連鎖構造分布を解析した. いずれのポリマーでも, シス, トランス, 及び1, 2-構造はランダムに分布しており, 1, 2-構造はほとんど頭一尾結合でつながっていることが分かった. 種々の位置に二重結合を有するアルケニルハライドによりスチレンのアニオン重合を停止することにより, スチレンとブタジエンを含むオリゴマーを合成し, GPCおよびHPLCで各種異性体上分別した. これらのオリゴマーのC-13NMRの化学シフトよりスチレンーブタジエン共重合体中の各種炭素に予測される化学シフト値を求めた. 更に, スチレンーα-dおよびスチレンーβ, β-d2とブタジエンとの共重合により部分重水素化ポリマーを得た. 部分重水素化ポリマーのDEPT法によるC-13NMRスペクトルには, 重水素の付いた炭素のシグナルは消滅し, その隣の炭素のシグナルは0.1〜0.4ppm高磁場にシフトすることが見いだされた. これらの知見をもとに, SBRのC-13NMRシグナルを1, 2及びスチレン単位の立体連鎖をも含め帰属することが出来た. また, 1, 2及びスチレン単位はほとんど全て頭一尾結合でつながっていることが明かとなった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐藤寿弥: 高分子学会予稿集. 35. 3428-3431 (1986)
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[Publications] Hisaya Sato: Macromolecules. 20. 2418-2423 (1987)
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[Publications] Hisaya Sato: Macronolecules.