1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550674
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松崎 啓 信大, 繊維学部, 教授 (40010649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 巌 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60021169)
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Keywords | 抗腫瘍性多糖 / 多糖 / 分枝多糖 |
Research Abstract |
1.L-アラビノースおよび、そのオリゴマーを分枝とする水溶性多糖の合成とその抗腫瘍性 さきに、D-アラビノフラノースおよび、そのオリゴマーをβ-(1→4)-グルカン(セルロース)あるいはβ-(1→3)-グルカン(カードラン)に分枝させた水溶性多糖を合成し、カードランにD-アラビノフラノースのオリゴマーを分枝させた多糖が、高い抗腫瘍性を示すことを見出した。そこで、D-アラビノースの光学異性体であるL-アラビノースのフラノース型およびピラノース型、さらにL-アラビノースのオリゴマーを、酢酸カードランにオルトエステル法により結合させ、脱エステル化により水溶性分枝多糖を合成し、その抗腫瘍性を測定した。その結果、これらの多糖は、いずれも高い抗腫瘍性を示し、異性体(L-およびD-アラビノース)による差はほとんど認められなかった。また、これら多糖の構造を、組成分析およびメチル化分析により決定し、分枝が、主鎖多糖の主としてC-6位およびC-4位に結合していることを明らかにした。 2.D-ガラクトースを分枝とする水溶性多糖の合成とその抗腫瘍性 D-グルコースの4-エピマーであるD-ガラクトースのオルトエステルを、酢酸セルロースあるいは酢酸カードランに結合させ、次いで脱エステル化することにより水溶性分枝多糖を得た。これら多糖の内、カードランに分枝させた多糖の抗腫瘍性は、セルロースに分枝させた多糖のそれより高く、主鎖構造としてβ-(1→3)-グルカンが優れていることが再び立証された。また、分枝多糖の構造を、糖組成分析、およびメチル化分析により決定し、分枝が主鎖多糖のC-6位に多く結合していることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Matsuzaki;I.Yamamoto;T.Sato;R.Oshima: Die Makromolekulare Chemie. 187. 325-331 (1986)
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[Publications] K.Matsuzaki;I.Yamamoto;T.Sato;R.Oshima: Die Makromolekulare Chemie. 187. 317-324 (1986)
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[Publications] K.Matsuzaki;I.Yamamoto;T.Sato;K.Enomoto;T.Kawamura;H.Hirai: Carbohydrate Polymers. 6. 155-163 (1986)
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[Publications] K.Matsuzaki;T.Sato;K.Enomoto;I.Yamamoto;R.Oshima;K.Hatanaka;T.Uryu;H.Kaku;Y.Sone;A.Misaki: Carbohydrate Research. 157. 171-182 (1986)