1986 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素を含有する新しいポリアセチレンの合成,特性の解明,及び機能の開発
Project/Area Number |
61550676
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京大, 工学部, 助教授 (60026276)
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Keywords | 3-(トリメチルシリル)-1-アルキン / シリルアセチレン / 重合 / 遷移金属触媒 / ポリアセチレン / ポリエレン構造 / 成膜性 |
Research Abstract |
本研究は、ケイ素を含有するアセチレンから新しい高分子量ポリマーを合成し、その特異な性質を明らかにし、機能の開発を試みることを目的とする。61年度の成果は以下のように要約される。 1)3-(トリメチルシリル)-1-アルキンからのポリマーの合成と特性ー4種の3-(トリメチルシリル)-1-アルキン[HCΞCCH(Si【Me_3】)R;R=【CH_3】,【n!_】-【C_3】【H_7】,【n!_】-【C_5】【H_(11)】,【n!_】-【C_7】【H_(15)】]の重合を検討した。Mo,W,Nb触媒などを用いることによりこれらのモノマーから高い収率で新しいポリマーが得られた。R=【CH_3】および【n!_】-【C_3】【H_7】のポリマーは有機溶媒に一部不溶であったが,R=【n!_】-【C_5】【H_(11)】および【n!_】-【C_7】【H_(15)】のポリマーはトルエンやクロロホルムに完全に溶解した。いずれのポリマーも分光法によれば【[!_】CH=CCH(Si【Me_3】)R【]!-_n】なる構造を有し、黄色の固体であった。ポリ[3-(トリメチルシリル)-1-オクチン]の最高分子量はMo触媒の場合45万,WおよびNb触媒の場合10万前後であった。R=【n!_】-【C_5】【H_(11)】および【n!_】-【C_7】【H_(15)】のポリマーは成膜性を有し、熱的にかなり安定であった。これらのポリマーの導電性は【10^(-18)】S・【cm^(-1)】,不対電子密度はく1×【10^(15)】スピン/gであった。 2)シリルアセチレンの重合とポリマーの性質ーーートリメチルシリルアセチレン(HCΞCSi【Me_3】)はW触媒により重合するが、生成ポリマーは一部不溶である。本研究では5種のトリメチルシリルアセチレン同族体(HCΞCSi【Me_2】R;R=【n!_】-【C_6】【H_(13)】,【CH_2】【CH_2】【CH_2】Ph,Ph,Ph,t-Bu)の重合を検討した。いずれのモノマーも適当なW触媒によりポリマーを生成した。ポリマーは黄色の固定またはゴム状物質であった。柔軟な置換基(R=【n!_】-【C_6】【H_(13)】,【CH_2】【CH_2】Ph,【CH_2】Ph)をもつポリマーは有機溶媒に完全に可溶で、分子量は1万前後であった。一方、矛軟性に欠ける置換基(Ph,【t!_】-Bu)をもつポリマーはいずれの溶媒にも一部不溶であった。
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[Publications] T.Masuda: Macromolecules.
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[Publications] H.Tajima: J.Polym.Sci.,Part A,Polym.Chem.