1986 Fiscal Year Annual Research Report
石炭液化反応における炭種の効果の簡便評価法に関する研究
Project/Area Number |
61550686
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 忠俊 北海道大学, 工学部, 助教授 (70001295)
|
Keywords | 石炭 / 液化 / 反応性 / 熱天秤 / ガス分析 |
Research Abstract |
本研究者は、石炭の液化反応性を評価するために石炭の反応性が異なる三成分の反応種から成るとする反応モデルを堤出している。しかし、これらの各成分量の決定には一炭種についても多数の高温高圧液化反応実験を必要とする。そこで本研究は、徴量の石炭試料の常圧加熱実験から簡単に決定しようとするものである。実験装置はトップフロー型熱天秤、ガス自動採取器およびガスクロから成る。200mesh以下に粉砕した石炭試料100mgを定流速窒素気流中で赤外線ゴールドイメージ炉により150K/minで加熱し、設定温度で一定時間保持して、この間の重量変化を連続測定すると同時に、発生ガスの採取を行った。採取ガス分析は水素・酸素・窒素・メタン・一酸化炭素および二酸化炭素について行った。試料としては炭素重量分率が0.658〜0.881の内外10種の石炭を用いた。 以上のような実験から、現在まで次のような点が明らかとなった。 (1)試料重量は、設定温度に達してから4〜5min以内で急激に減少した後、定速で減少する。定速減少速度には炭種によってほとんど差がないのに対して初期の急激な減少速度の方は炭種により異なり、この間の減少量は、触媒作用をもつ灰分含有量の極端に少ないヤルーン褐炭の場合を除き、溶媒や気相からの外部水素消費を伴わずに液化する石炭成分(【C_2】)量とほぼ比例する。 (2)重量減少時に発生する上記ガス種のうち、一酸化炭素と二酸化炭素は重量減少が急激に起こる際に選択的に発生する。しかし、単位減少重量当たりの前者の発生量は徴量で、反応性(【C_2】量)とは直接の相関を持たない。これに対し、後者の発生量は、液化対象炭とされてている亜瀝青炭および瀝青炭の場合、【C_2】1(1-【C_(10)】)量とともに増加するので、これらの相関を液化反応性の簡便評価に用いることができる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 千葉忠俊,他: 化学工学シンポジウムシリーズ. 9(1). 86-92 (1986)
-
[Publications] Chiba,T.,et al.: Ind.Eng.Chem.Fundam.