1986 Fiscal Year Annual Research Report
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61550706
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 誠 京大, 原子エネルギー研究所, 教授 (90027128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 基斉 京都大学, 原子エネルギー研, 助手 (50027140)
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Keywords | 溶媒抽出 / 抽出速度 / 界面反応 / 希釈剤効果 / 触媒効果 / キレート抽出系 / オキシム溶解度 / 界面吸着平衡 |
Research Abstract |
研究の初年度として、キレート抽出系の特性を把握する上に重要な情報をうる目的で、以下3項目に対する研究を行った。 1)金属溶媒抽出の平衡と溶媒・希釈剤設計:ヒドロオキシム類の水溶液・希釈剤(直鎖炭化水素,ベンゼン,トルエン,及びその混合物)間の分配を実測し、ヒドロオキシムの修飾置換基効果、及び希釈剤の影響を明らかとした。又、上述の実測値を説明しうる溶液論について、グループ溶液の観点から検討中である。 2)液・液界面状態の実験的解明:ヒドロオキシム類を含むヘプタン、ベンゼン溶液と水相間の界面圧を実測した。この結果より、オキシムの界面飽和吸着状態では、吸着オキシム分子の回転の自由度が著るしく拘束された状態にあり、界面吸着オキシムは水相に溶解している銅(【II】)イオンないし銅オキシム1次錯体としか反応しないことが推定された。 3)金属溶媒抽出の速度論と溶媒・希釈剤設計:ヒドロオキシム類による銅(【II】)の抽出速度及びアルコール水溶液中でのオキシム銅錯体の生成速度を実測し、これらの知見から、比較的水に溶解しやすいオキシム系では、抽出速度は水相境膜内の銅・オキシム1対1錯体の生成が律速しているが、水に難溶性のオキシム系では、界面に吸着したオキシムと水相内で生成した銅・オキシム1対1錯体間の反応が律速していることを明らかとした。又、1)で述べた種々の希釈剤の抽出速度に及ぼす影響を系統的に実測し、速度論的には、水相、希釈剤相間のオキシムの分配が第一義的に重要であることを実証した。さらに、6員環形成オキシム系に及ぼす5員環形成オキシム、並びに、ジ-ス-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの触媒効果について界面反応の立場から論じた。次年度以降は、溶媒・希釈剤設計の立場からの定量的取扱いが重要課題となる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Harada,MakoTo: J.Chem.Eng.Japan. 19. 196-207 (1986)
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[Publications] 原田誠: 京都大学原子エネルギー研究所彙報. 70. (1986)
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[Publications] 原田誠: 京都大学原子エネルギー研究所彙報. 71. (1987)
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[Publications] Harada,MaKoTo: International Solvent Extraction Conference 86-Preprint. 2. 309-315 (1986)