1986 Fiscal Year Annual Research Report
向流接触塔を用いた乳化液膜法による連続濃縮操作に関する研究
Project/Area Number |
61550711
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
片岡 健 阪府大, 工学部, 教授 (00081357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西機 忠昭 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081362)
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Keywords | 液体膜 / 透過モデル / フェノール / 金属イオン / 向流接触塔 / 連続濃縮操作解乳化 |
Research Abstract |
1.(W/O)/W乳化型液膜によるフェノールや金属イオンの濃縮に対して、透過速度のシミュレーションに必要なすべてのパラメーターを、操作条件と内部水滴径および(W/O)エマルション滴径から推算できる汎用的な透過モデルを提案した。回分式撹拌槽を用いて種々の条件下で測定したフェノールの透過速度は、本モデルによって良好に説明できること、および銅や亜鉛イオンの透過濃縮に対しても適用可能であることを明らかにした。 2.撹拌型向流接触塔における金属イオンの連続透過プロセスに対し、連続相に軸方向分散モデルを、(W/O)エマルションの分散相に1.に基づく透過機構を適用してモデル化を行い、軸方向分散係数、分散相ホールドアップ等の装置特性をパラメーターとして塔内濃度分布のシミュレーションを行った。数種の金属イオンに対して報告された連続透過テストの実測濃度分布を、従来の液一液抽出操作で得られた諸関係を利用してシミュレートできることを示した。 3.内径5cm、有効塔高90cmの向流スプレー塔を製作し、(W/O)W分散系(分散相:(W/O)エマルション相、連続相:水相)における分散滴径および分散相ホールドアップを、分散相ノズル流速と連続相流速に対して測定し、既往の液一液スプレー塔の結果と比較検討した。 4.(W/O)/W乳化型液膜操作用の連続解乳化装置として、平行多孔板電極を有する箱型装置を試作した。連続解乳化のための基礎的知見を得るため、実験系としてLIX64Nによる銅イオンの濃縮系を採用し、直流の静電気高電圧をパルス状に印加する方法により回分実験を行い、解乳化に及ぼす印加電圧極板間隔など種々の操作因子の影響を調べた。本装置により、(W/O)エマルションは短時間で良好に解乳化され、連続操作への発展が期待できる結果を得た。
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