1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550719
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江口 弥 京大, 工学部, 教授 (10027120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 昌敬 京都大学, 工学部, 助教授 (30027148)
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Keywords | ウラン燃料 / 再処理 / ヨウ素 / 亜硝酸 / 窒素酸化物 / 酸素還元反応 / 反応速度 |
Research Abstract |
1.酸性液中でのNOxおよびヨウ素化学種の挙動 使用済核燃料の再処理工程溶解液中のヨウ素の挙動を解明するために、以下の反応を追跡し、その反応機構と速度の定式化を行った。 (1)亜硝酸の自己分解反応:この反応は比較的遅い反応であり、総括速度は自己分解生成物である【NO_2】と水との可逆反応が律速過程である。また、初期において、自己分解生成物であるNOと溶存酸素との反応により、亜硝酸分解が加速される。 (2)亜硝酸による【I^-】の酸化反応:これは迅速で複雑な反応であり、反応機構を同定する事は困難であったが、各反応成分の濃度依存性をよく表現する総括速度の実験式を得た。亜硝酸過剰の場合は、この迅速反応と共に、NOと溶存酸素との比較的遅い反応が起こる。 (3)亜硝酸によるI【O(^-_3)】の還元反応:この反応は誘導期を経たのち円滑に進行するが、相当緩漫な反応である。誘導期の解釈は十分にはできなかったが、反応の後半部に対して速度解析を行った。 (4)【I^-】によるI【O(^-_3)】の還元:この反応は迅速かつ定量的に進行する反応であり、速度式の定式化が行われた。しかし、反応系に亜硝酸が存在するときには、本反応よりも亜硝酸による【I^-】の酸化反応の速度の方がはるかに迅速であるため、I【O(^-_3)】は還元されない。 次年度では、温度依存性も含めて更に詳細な反応機構の解明を目指す。 2.NOxおよびヨウ素の気相への放出 グラス製の気泡塔を作成し、その作動特性・運転条件を定めるための基礎的な検討を行った。次年度この気泡塔を用いてNOxおよびヨウ素の気液分配平衡を測定すると共に、現実のヨウ素追い出し工程を模擬した気相へのヨウ素の放出挙動を明らかとする。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 江口彌,武藤邦夫,後藤英司,佐藤俊樹,谷垣昌敬: 化学工学論文集.
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[Publications] 江口彌,谷垣昌敬,武藤邦夫,土屋博嗣: 化学工学論文集.