1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61550722
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
畑中 淳一 阪府大, 工学部, 講師 (60081361)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 悟 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90081348)
|
Keywords | ミセル触媒 / シクロドデカノン / ヒドロキシルアミン / ドデシル硫酸ナトリウム / オキシム化反応 |
Research Abstract |
1.実験系の選択 オキシム化反応に用いるシクロケトンについて検討した結果、反応速度の比較的大きいシクロドデカノンを用いることにした。 2.諸物性の測定 ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ミセルの非存在下および存在下でのシクロドデカノンの水相拡散係数の実測値は既往の非ミセル系の推算式による計算値とほぼ一致し、ミセルの存在は特異な効果を示さないことがわかった。また、反応を伴うために直接測定できない硫酸ヒドロキシルアミン水溶液に対するシクロドデカノンの物理溶解度の推算式を、反応を伴わない数種の系の溶解度の測定結果にもとずいて作成した。さらに臨界ミセル濃度の測定も行った。 3.ミセル存在下での平面接触攪拌槽の物質移動特性の検討 平面接触攪拌槽を用いてSDSミセルを含む水相へのシクロドデカノン(シクロヘキサンで希釈)の物理溶解実験を行った。得られた物質移動係数は、既往の非ミセル系の実験式による推算値よりも低い値を与えたが、SDSの存在を無視した仮想溶液の界面張力を用いて推算した値とは良好に一致した。他の2,3の系の実験からも、仮想溶液の界面張力を用いることの妥当性が確かめられ、物質移動係数の推算に本実験式が適用できることが明らかになった。 4.ミセル非存在下でのオキシム化反応の反応動力学の解析 平面接触攪拌槽で得られたSDSミセル非存在下でのシクロドデカノンのオキシム化反応に対する総括反応速度の実測値と理論式との比較から、本反応はシクロドデカノンとヒドロキシルアミンに関してそれぞれ1次の酸触媒反応であることを明らかにした。また温度とイオン強度の影響を考慮に入れた反応速度定数の相関式を作成した。これらの反応速度定数は62年度に実験を行うミセル触媒存在下でのオキシム化反応において、水溶液中のミセルの外相(バルク相)での値を与えるものと推察される。
|