1987 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子レベルからみたイネの分化における日長反応性の適応的意義に関する研究
Project/Area Number |
61560010
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
平岡 洋一郎 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (20145113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖野 啓子 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (70000247)
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Keywords | 日長反応性 / アイソザイム遺伝子 / イネ / 連鎖分析 / 連続戻し交配 / インド型-日本型 |
Research Abstract |
1.日本型で日長反応微弱なテスター系統(T65Ebm)とベトナム産で日長反応が強のインド型品種(Ac.1)との交雑により昨年存在が予想された2つの日長反応性遺伝子は, 1つはアイソザイム遺伝子Pgi-2およびEst-2と連鎖, もう一つはCat-1と連鎖していることが確認できた. これら3つのアイソザイム遺伝子はどれも第6染色体に廛乗することがわかっているから, 確認できた2つの日長反応性遺伝子もこの染色体上にあることがわかった. 2.マレー半島産野性イネ系統W593をドナーとして上記E^bm系統に戻し交配を行って得た系統の出穂日の分離様式より, W593の晩生を発現する遺伝子が少なくとも2つ(2遺伝子座)あることが示唆された. 両方の座の優性遺伝子をあわせもつと日本では出穂しない. 一方の座だけが優性遺伝子をもった系統はEbmより1ケ月以上晩生となるが出穂することがわかった. これらの遺伝子座の少なくも1つは日長反応性を支配していると考えられた. 3.来歴や産地の異なる野性イネおよび栽培イネをドナーとしてE^bm系統に戻し交配を行って得た準同質遺伝子系統の相互交雑で得たF1個体を冬期に養成し, F_2種子を得た. 来年度このF_2を栽培して出穂日の分離様式を調べ, 準同質遺伝子系統の晩生性を発現する遺伝子の異同を明らかにする予定である. 4.計画した戻し交雑などはほぼ計画通りすすんだ. これらは来年度BnF2世代として展開し, 遺伝子分析に用いる予定となっている.
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Research Products
(1 results)