1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61560014
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
今木 正 島根大, 農学部, 教授 (60032562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小葉田 亨 島根大学, 農学部, 助教授 (60186723)
山田 一郎 島根大学, 学長 (50032537)
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Keywords | ミマツタ / 溶存酸素計による根の呼吸測定 / 水ポテンシャル |
Research Abstract |
1.現地調査:島根県益田市および美都町において栽培方法および自然立地条件について調査を行った。栽培法については、山地での移植栽培が主流で栽植密度は10a当たり5〜6,000本程度、収穫は植え付け後3年目から開始し、2年間隔で10〜15年択材している。岡山県と比較して粗放であるが、一方収穫年限が長い特色がある。立地条件については、"えこ"あるいは"えご"と呼ばれる谷間の山裾の比較的湿潤で日照時間の短い所が栽培適地といわれていて、岡山県で行われた水田転換畑での栽培は、過湿になりやすいことから生理的立ち枯れが多発し栽培には適さないことが分かった。 2.土壌温度処理実験:地下部の呼吸特性と、根圈環境を変化させた場合の地上部と地下部の生理的反応を調査した。水耕栽培を行い地下部の呼吸を溶存酸素計で測定する方法を開発し実測したところ根の呼吸速度は若い根で1.61mg【CO_2】/g/hr(30℃),【Q_(10)】は2.3であった。土壌温度30℃下で水耕栽培の通気区、無通気区を比較すると、無通気区は6日目で蒸散量が急減し、全葉が下垂、水ポテンシャルも10.4〜16.4barとなった。光合成速度は処理開始時の約40%であった。土耕栽培の材料を使って土壌温度30℃区と20℃区を設定し、無通気状態で処理を行ったところ7日目で両区とも下位葉が下垂し外観上区間差は認められなかったが、地上部の光合成速度は30℃区の方が機能の低下が大きかった。この結果ミツマタは高土壌温度、低酸素濃度条件下に置かれると生理的立ち枯れ現象が起こりやすいことが示唆された。 3.葉の光合成特性;赤外線ガス分析計で葉の光合成特性の測定は行わなかったが、8月と9月に相対照度を変えて栽培を行い、陰葉化していく過程を、比葉面積と葉緑素計で追跡した。展開をほゞ完了した葉でも、低い相対照度条件下に置くと、その条件に対応した動きを示し、葉は厚く、葉緑素計の値も大きくなった。
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