1986 Fiscal Year Annual Research Report
作物と雑草との相互作用に関する研究(特に化学物質を中心として)
Project/Area Number |
61560017
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
続 栄治 宮崎大, 農学部, 助教授 (30041049)
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Keywords | アレロパシー / 植物間の相互作用 / 他感作用 |
Research Abstract |
1.作物および雑草の遺体がダイコンならびにトマトの出芽・生育に及ぼす影響10種の作物および雑草を供試し、地上部を細かく切り土壌を詰めた素焼鉢に加え、土壌と撹拌後ダイコンおよびトマトを播種した。播種後10日間出芽を調査し、およそ1カ月後地上部乾物重を測定した。供試した10種のうち、エンバク,アルファルファ,オオムギ,ヤエムグラ,オオツメクサ,チドメグサおよびスギナの遺体はダイコン,トマトの出芽を抑制した。また、エンバク,アルファルファ,ヤエムグラ,オオツメクサおよびチドメグサ地上部の水抽出液はイネの第2葉鞘の伸長を抑制した。 2.アレロパシー物質の同定1)カラムクロマトグラフィによる分画:アレロパシー作用の大きかったアルファルファ,エンバク,オオツメクサおよびチドメクサをメタノール(70%)で抽出し、カラムクロマトグラフィで分画後、各分画についてイネを用いて生物検定した。アルファルファの抽出液はアセトン溶液(水に対する割合)0〜20%,40〜50%,90〜100%において抑制した。チドメグサでは10〜50%,90〜100%において、またオオツメクサでは20〜30%,50〜60%において抑制が認められた。2)アセトン分画部分の呈色反応:カラムクロマトグラフィで分画した部分について、3種類の指示薬を用いて呈色反応を検討した。アセトン溶液10〜20%分画においてはジアゾ化スルファニル酸に反応した。40〜50%の分画ではドラゲンドルフ(脂質用,アルカロイド用)指薬に、また90〜100%ではアルカロイド用に反応し、フェノール,アルカロイド,脂質類の存在が示唆された。3)GC-MSおよび赤外吸収スペクトルによる分析:アセトン分画で得られた抑制部分をGC-MSおよび赤外吸収スペクトルで分析を進めており、チドメグサからソルビタンの赤外吸収スペクトルと類似のスペクトルが得られた。
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